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アワード総ナメのワイドボディ・ショーカー仕様
日米のハイブランドとワンオフのカーボンパーツを大量投入!
アメリカ西海岸のオーナーを中心に、ハイチューンドJDMの愛好家が集まる『オートコンセプトエリート』。そのプレジデントとしてクラブを運営し、自らも数々のチューンドを手がけてきたのが、ジェシー・サバターだ。
彼のプライベートカーであるGT-Rは、これまで地元の西海岸で開催された数々のショーでアワードを獲得。最近ではスタンスネーションSOCAL、ニセイ・ショーオフなどでベスト・オブ・ショーに輝いている。
最も目を引くのは、何と言ってもカーボンファイバーでカスタムメイドされたワイドボディキットだ。破壊光線を発射するゴジラよろしく、大きく口を開いたフロントバンパー、そしてサイドスカートやルーフ、トランクフード、カナード等々、数々のエクステリアパーツがカーボンで作られている。
スワンネックのリヤウイングはボルテックス、ボンネットとディフューザー付きのリヤバンパーはバリスと、日本のハイブランドパーツが投入されている。BASFのペイントを使用したミッドナイトパープルは、R34以前のスカイラインGT-Rが輸入されていなかったアメリカではレア度がさらにアップ。ショーでの注目度はハンパではない。
そして、ホイールもカーボン製の特注リムにリバレルされた20インチのSSRエグゼクターCV01を装着。前後サスペンションには、各種の調整式アームとKWの油圧リフトシステム付きV3コイルオーバーを投入して、ワイド&ローのスタンスもきっちりとキメている。
ブレーキは前後にエンドレスのレーシング6ピストンモノブロックキャリパーキット(F400mmローター R387mmローター)をセット。最強の足回りを構築している。
心臓部のVR38DETTは、腰下をCPの鍛造ピストンとキャリロのコンロッドで強化し、ヘッドにはケルフォードのハイカムをセット。そこにHKSのGT1000フルタービンキットをセットアップ、最高出力1027hp&最大トルク117kgmというとてつもないアウトプットを誇る。
パイピングはチタンで作り直し、ジョイント部には抜け防止のブーストロックを組む。こうした細かなパーツも魅せる事に拘ってメイキングされている。
また、自らを「カーボン中毒者」と語るほどカーボンへの偏愛を捧げ、ラジエター上部を覆うカバーやストラットタワーバーもカーボンでカスタムメイド。ボンネット裏側で雨水を受けるキャッチもカーボンでワンオフし、パワーチェックシートを誇らしげにプリントしてあるのも特徴的だ。
内装もありとあらゆる場所にカーボン製パネルを使用。スパルタンというより、むしろ華やかさすら感じさせる豪勢な空間を生み出している。
ブリッドのバケットシートはリクライニングが可能な海外限定エディション。チタン製のワンオフサイドバーはロックピンを外すとドアと同じように開閉が可能と、日常の使用に合わせた利便性も追求されている。
トランクルームには、フランスのオーディオメーカーFOCALのシステムをインストール。ここにもカーボンを大量に投入した上で、センターにGT-Rエンブレムをあしらってドレスアップ度を高める。
単に高単価なパーツを無作為に寄せ集めているわけではなく、エンジンチューンやボディワークなど、各パートで腕の立つスペシャリストが本領を発揮することにより、見事な調和を見せているジェシーのGT-R。
何よりも「コンペティションで一番になることが好き」という彼の言葉がどれだけ真に迫ったものであるかは、クルマを見るだけでよく分かるというものだ。
Photo:Akio HIRANO TEXT:Hideo KOBAYASHI