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実績のある2JZ-GTE化は理にかなったエンジンスワップだった!
セオリーには捕らわれず実績のあるエンジンをブチ込む!!
この戦闘的なフェアレディZ(Z32)は、中部地区のミニサーキットを中心にしながら、時には富士スピードウェイまで遠征するタイムアタッカーの愛機だ。もちろん、その行き帰りも自走でこなすため、NSXのコンデンサーを移植したエアコンなど、快適装備をきっちり残しながら仕上げられた公認ストリートスペックだ。
そもそもの始まりは「街乗りもできるサーキット仕様にしたい」と相談してきたオーナーに対し、エンジンスワップを得意とする“C&Yスポーツ”の知念代表が迷わず2JZ-GTEエンジン換装を提案したことから。相談内容と解答に大きなギャップがあるようにも感じるが、そこはC&Y流、熱対策が大変でチューニング費用もかさむVG30DETTよりも、実績のある2JZ-GTEを換装する方が、安定性に富んだチューニングカーが作れると判断したのだ。
なお、エンジン換装にあたっては2JZ-GTEはエンジンハイトが非常に高いため、各部を大加工して搭載位置を限界まで下げ、さらにボンネット側もワンオフ加工で逃げを用意。Z32のスタイリングに極力影響を与えないよう配慮しながらメイキングを進めたわけだ。
組み合わせるミッションはJZA80純正ゲトラグ6速。プロペラシャフトはJZA80とZ32を加工してミックス。また、Z32のデフ(R230)ではファイナルの選択肢が少ないため、BNR32のR200デフを使い、ファイナルの選択肢を広げているのもトピックだ。
エンジンマネージメントはF-CON Vプロで行い、メインメーターには必要最小限の車両情報を集約させるためにデフィのDSCCを採用。また、ラップタイムを表示するP-LAPIIIも常備し、サーキット仕様としての準備は万全だ。
ちなみに、換装した2JZ-GTEはHKSの鍛造ピストンとH断面コンロッドを組み込んで、排気量を3.0Lから3.1Lへと拡大。タービンはコースによって使い分け、富士のような高速コースではTO4Zで700ps、スパ西浦などミニサーキットではTO4Sを選び550psを発揮するようにしているそうだ。
さらに、頻繁にサーキットに通っても不安がないようにと、オイルパンにはワンオフで大容量化とバッフル加工を施し、連続走行に備えウォータースプレーもインストール済みだ。
サーキットスペシャルとして割り切るならここで終わりなのだが、オーナーは自走派。サーキットまでの往路を考慮して快適装備もフル採用。中でもC&Yらしいメイキングがエアコンだ。エアコンコンデンサーをバンパーセンターの開口部に設置すると、水温等への影響も大きいため、コンパクトなNSX純正コンデンサーをサイドに配置。2JZ-GTEのコンプレッサーを使い、配管をワンオフ製作しているのだ。
一方のエクステリアはいかにもサーキット仕様らしい内容。メカニカルグリップの向上を狙ってミッション製ワイドフェンダーを装着し、フロント265/35-18、リヤ295/30-18のハイグリップタイヤを履けるようにしている。
リヤには1800mmのサード製GTウイングを装着。ただし、そのままではダウンフォースに耐えられずリヤハッチが歪んでしまうため、スチールでリヤハッチを支えるフレームを製作している。
単なる見せかけだけの2JZ-GTE化ではなく、意味のあるエンジンスワップ。それがC&Yスポーツのチューニングなのである。
●取材協力:C&Yスポーツ TEL:0561-38-8325
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