「エキマニも3Dプリンターで作る時代なんです!?」インコネル素材で圧倒的な高強度を実現!

3Dプリンターで実現したインコネル仕様のエキマニ!

耐久テストをしながら現実的な価格での製品化を目指す!

「私がエンジン作りに携わようになったジムニーのトライアル競技車両で、高いブースト圧や排気温、振動などの影響か、純正も社外ターボ用も非常にEXマニ割れの発生率が高かったんです。それで、お客さんと『割れないEXマニを作れないものか…』という課題を検討していたら、ここまで大ごとになってしまいました(苦笑)」というのは、ステイ自動車整備センターの工藤代表。

新しい技術やパーツに敏感なチューナーとはいえ、地方の個人経営ショップが軽自動車用にインコネルのEXマニを3Dプリントで製作してしまったということには少々驚きだ。

このインコネル製の3DプリントEXマニ、全ての作業が外注製作となったこともあり、ひとつ目が完成するまでの費用は200万円にも及んだという。それでもこれを開発費と割り切り、最終的にはひとつ30万円以下、できれば10万円台までコストを下げつつ、熱や振動に負けないEXマニを作れないかと画策中なのだ。

ちなみに、インコネルという素材はニッケルが主体の金属で、耐熱性に優れ高温強度および耐腐食性能が高いことが特徴。古くから、トップカテゴリーのレーシングカーのエキゾーストパーツに使われることが多かったが、加工性が悪いため一般には普及していなかった。しかし、3Dプリンターの技術展開で、これまで難しかった加工に関する課題を克服、チューニングパーツへと落とし込む現実性が高まってきたのだ。

曲げパイプの残留応力や溶接時の熱による歪みが無く、接合部の強度も安定するため割れなどのトラブルを起こしにくい3DプリンターEXマニ。デジタル設計を忠実に再現しているため、合わせ部のズレも皆無。よく見ると、3Dプリンター特有の積層跡が確認できる。例えば、この積層幅を広く(荒く)すれば、工数が減りコストを下げることに繋がるという。

「試作段階から割れなどのトラブルが起こると困るので、まずはかなり太い肉厚で製作しました。これで実走テストを行なって強度や耐久性を確認、その間にコストを落とす算段を練っていきたいと思っています」と工藤代表は続ける。

今後、チューニング業界におけるスタンダードになるかもしれない3Dプリンター製EXマニ。K6Aエンジン使いはもちろん、全てのクルマ好きは今後の動向に注目すべし!

●問い合わせ:ステイ自動車整備センター 岩手県八幡平市大更2-266-3 TEL:0195-76-4044

【関連リンク】
ステイ自動車整備センター
http://www.stayh.com/

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