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サーキット走行も視野に入れた異色のユーロ・ローダウンスタイル
加工や工夫を随所に盛り込み、レア車らしからぬ迫力を獲得
スポコン全盛期にFTO(DE3A)を手に入れ、そこから少しずつカスタムの世界にハマっていったというオーナーの愛機が今回の主役だ。
元々はクスコのコンプ車高調でローフォルムを演出していたが、自宅前の坂道やよく遊びに行く施設のスロープで苦労するのが嫌になり、一念発起してエアサス化を敢行。
選択したのはACCの4輪独立式。無段階調整タイプのため、気分や場所に応じて最適なスタイルを構築できる。さらに、全下げ車高から走行車高まで約3秒で完結する調整スピードの速さも大きな魅力だ。
もちろん、エアサスになったとはいえ極限まで車高を低くする加工や技は健在。例えば、フロントのタイヤハウス内にある鉄板接合部の突起をハンマーで潰したり、ナックルに長穴加工を施し、取り付け位置をオフセットしてキャンバー角を最適化したりと、数多くの工夫が凝らされている。
「インナーフェンダーにある鉄板の“のりしろ”部分は、ハンマーで叩き潰す。これはFTOで車高を落とす際のセオリーです」とオーナー。
ホイールはワークのLS105(F9.0J+13 R10.0J+13)、タイヤにはATRスポーツの225/35-19を前後通しで履く。
ちなみにこのタイヤチョイスは、ATRが他メーカー製の同サイズよりも薄いから。それだけでも10mm近くローダウンすることに成功している。なお、エア圧は常時4.0キロは入れているそう。
エクステリアは、コアスポーツのフロントバンパーにプロジェクトFのサイドステップを組み合わせる。フェンダーは前後とも約5〜10mmほど叩き出してワイド化。純正加工リヤバンパーから伸びるセンター2本出しエキゾーストは、魅せる事に拘ったワンオフ仕様だ。
また、一見するとドレスアップスペシャルのようなFTOだが、オーナーはこれで筑波サーキットのコース1000にも繰り出すというから驚かされる。生粋の走り好きというわけだ。
「レアなベース車だと、それだけで目立てるから…」というのが、オーナーがFTOに乗る最大の理由。今後も“より低く”を追求したモディファイを貫くそうだ。(OPTION誌2013年12月号より抜粋)