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青と赤の名コンビ。
贅沢すぎるスポーツ4WDの使い分け
20歳の時に新車で購入したST185Hに乗り続けながら、2010年にBNR32を増車。5年前、そのBNR32(と、足グルマだったiQ改スーパーチャージャー仕様)を手放し、VABの新古車を購入した。まさに今回の企画にピッタリな、“スポーツ4WD人生”を歩んでいるのがオーナーの中田さんだ。
「当時SW20を狙っていたんですが、兄貴に譲ってもらった初めての愛車、赤いTA61セリカGTの印象が強く残ってて。結局、SW20と同じ3Sターボを載せるST185Hの赤を選んだんです。若い頃は仲間と一緒に無茶なことをしてましたけど、思えば4駆だから助かった場面は多かったですね。もしSW20だったら間違いなくクラッシュして、30年以上も乗り続けられなかったと思いますよ」。
エンジンはHKSの2.2Lキットに272度カム、TD06-25Gタービンを合わせた450ps仕様。これまでマフラーを6回、タービンを5回変更。今の仕様に落ち着いたのは20年前のことだった。インタークーラーはアペックス製GC8用をワンオフパイピングで装着する。また、今回の取材に合わせてボンネット裏の遮音材を手持ちの新品に交換した。
BNR32を手放して新たに普段乗り用のクルマを選ぶ時、中田さんはND型ロードスターやZC33S型スイフトスポーツを候補に挙げていた。が、そこに「待った!!」をかけたのが、中田さんのクルマ趣味に理解があり、自身もST202セリカに乗る奥様の言葉だった。
「どうせ後からイジってお金を掛けるなら、初めから馬力があるターボ付きMT車の方が良いんじゃない? と言われて。あぁ、やっぱり俺のこと分かってるなぁと(笑) その一言で決心がついて、VABを探すことにしたんです」と中田さん。
中古車検索サイトで見付けたのは地元のスバルディーラーで展示車両だった1台。ビルシュタイン製サスに19インチホイール&タイヤを装備したタイプSで、ディーラーを訪れるお客さんに見てもらうデモカー的存在だっただけに、純正オプションもてんこ盛りだった。
中田さんが言う。「ディーラーとしては当時、最新モデルF型の展示車両を用意しなければならなかったんでしょう。そこで、それまでショールームに並べてたE型を売りに出したようです。それを買いました」。
通勤をメインとした日常ユースのクルマとして、速さも快適性も申し分なし。それでも手を加えたくなるのがクルマ好きというものだ。そこで中田さんは海外製エアロパーツを調達。外装を、日本では発売されなかった北米限定モデルのS209ルックに仕立て上げた。
オーバーフェンダー装着は中田さん自らが行ない、行きつけのディーラーで構造変更を申請してもらった。車検証上の全幅はノーマルの179cmから184cmに。
ホイールは9.5Jプラス35のグラムライツ57CR。カラーはボディ色に合わせてガンブルーⅡを選んだ。組み合わされるタイヤは245/35−19で標準同サイズとなるミシュランパイロットスポーツ4S。「ドライ、ウェット共にグリップ力が高く、耐摩耗性にも優れてますね」と中田さん。
「普段の足にしているVABは、ひと月の走行距離が1200kmほど。一方のST185Hはイベントやミーティングに出向いたり、天気のいい日にドライブするくらいで基本、保存モードに入ってます。どちらも好きなクルマですし、運転することで気持ちが晴れますよね」。
そもそもパワーがあるターボ車じゃないと面白くない。それでいながら4WDは走りが安定していて、運転している時の安心感も高い。その両方を兼ね備えたVABとST185Hの2台体制は、中田さんにとって今考えられるベストな組み合わせというわけだ。