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チューニングコンセプトは“やった感”!
吸排気の最適化でシエラを鍛え上げる
1/1スケールの大人のおもちゃとして、様々な方向性のカスタマイズが楽しめるジムニーだが、こちらのJB74型ジムニーシエラはストリートをメインターゲットにした1台。
オーナーはGX71クレスタやSW20、AE86、マジェスタなどスポーツマシンやセダンを中心に乗り継いできた人物で、2020年このシエラを新車で購入したそう。
「スタイルが気に入って即決でオーダーしましたが、試乗であまりの非力さにビックリ。そこでストレスなく走れるようにとチューニングを決行。ちなみに最初に手を入れたのはマフラーでしたが、ディーラーで納車前に装着してもらったので、ノーマルでの走行距離はゼロなんです」と言うから、気合いの入り方はかなりのもの。
“やった感”をコンセプトとしたチューニングは車両全般に及ぶが、中でもとくに力を入れたのが非力さをカバーするためのパワー系。作業はジムニーチューンの名門“レインボーオート”に依頼しているが、NA(自然吸気)仕様としては現在入手可能な全てのパーツを投入している状態だ。
なんといってもまず目を引くのは、グループMのカーボンインテーク。「エアクリーナーはこれで3個目なんですが、シエラ用パーツの口コミはまだネットにもあまりないので自分で試してみるしかないんですよ」とのこと。
装着しているパーツの中で、最も体感度が高かったというのがレインボーオートのビッグスロットル。その他、エンジンにはブローバイコントローラーのNAGバルブもインストール済みだ。
点火系はオカダプロジェクツのプラズマダイレクトで強化。ヒューズボックスには電装系チューンとして注目のICE FUSEを装着。クリア仕様のカバーはオーナーがDIYで加工したものだ。
センター出しデュアルテールタイプのマフラーはカースタイル製。今後はトラストからリリース予定のEXマニを追加して、さらなる排気効率の向上を狙っていくという。
グッとローダウンされた足回りは、HKSのハイパーマックス(1インチダウン仕様)をベースに、レインボーオートのスプリングを組み合わせて実現。さらに各種ブッシュをウレタンタイプに変更した上、タナベの強化スタビやラテラルリンクなどもインストールすることで、クイックなハンドリング特性を獲得している。
ホイール&タイヤはレイズA-LAP(5.5J×16)にトーヨーオープンカントリーR/T(215/65R16)の組み合わせ。ブレーキもモンスタースポーツのローター&パッドでしっかりと強化されている。
インテリアは各種ホルダーやテーブルの追加で使い勝手を向上。トラクションコントロールキャンセラーのVSCCやスロットルコントローラーの電子パーツもスポーツ走行を楽しむためのアイテム。シートは運転席、助手席ともにレカロのリクライニングタイプを装着している。
カーボンタイプのフロントグリルやバンパー下のモールは、ネット調達品をDIYで装着したもの。ボンネット裏のインシュレーターはオープン時のインパクトを狙ってのカスタムだ。
純正ワイドバンパーによるスタイリングの良さをローダウンでさらに高め、ストレスなしのパワーを獲得したこのマシン。JB74シエラカスタムのさらなる盛り上がりを期待させる1台と言えるだろう。
PHOTO&REPORT:川崎英俊
●取材イベント:ジムニー那須ふぇす2021