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やはり人気の頂点は第二世代GT-R!
しかし人気エンジンはRB26だけじゃない!?
オーストラリアのシドニーで、年に一度開催されるチューニングカーの世界一決定戦「ワールドタイムアタックチャレンジ(WTAC)」。このイベントはタイムアタックイベントとしての側面はもちろん、各国のチューナーがハイレベルなマシンを持ち込むショーカー的な要素も兼ね備えている。今回は、海外でも高い人気を誇るスカイライン、それもR32〜R34系モデルのチューンドを紹介していく。
ゼロヨン7秒切り間近の1500馬力仕様
プレシジョンの超巨大なタービンが目を引くこのBCNR33は、Birrong Automotiveが製作したFRドラッグ仕様。これまでのベストタイムは7秒1、終速は199マイル(約320km/h)に達するモンスターだ。
エンジンルームも強烈。異常に大きなタービンがオーバーヘッドでマウントされ、しかもパイピングを見るとインタークーラーレス! これは、燃焼温度が高くないアルコール系燃料&全開時間が短いドラッグレース前提だからこそのメイキングだ。そのスペックは1500psオーバーというからハンパではない。
魅せ要素も追求!ドラッグ仕様のR33
Platinum Racing Productsというパーツブランドが展示していた、1000psオーバーのBCNR33。シングルタービンは欧米で高い人気を誇るプレシジョン製だ。設計思想がギャレット系タービンに近く、エキゾーストハウジングのサイズ設定が多いため、日本でもジワジワと人気が高まっているメーカーだ。
装着されているインジェクターはツインで、カムの回転から駆動を取る機械式燃料ポンプが装備されていることから、燃料はアルコール系と分かる。カムスプロケットの周辺のデザイン性や、アルマイトカラーの使い方、ヘッドカバーの加工など、魅せることへの拘りもハイレベル。速さ以外の要素にも注力していることが分かるスーパーチューンドだ。
禁断の2JZスワップを受けたR34
多彩なチューニングカーが集まる会場ということで、エンジンスワップマシンを見てもそうそう驚くことは無い。しかし、このBNR34のエンジンルームを見た時には「禁断の」という言葉を使いたくなる衝動に駆られた。
心臓部に収まるエンジンは、何とライバル車であるJZA80スープラの2JZ-GTE。少々複雑な気持ちになったが、ドリフトにも使われるチューンドと聞いて納得。ドリフト界における2JZ神話は、海外にも浸透しているというわけだ。
大排気量V8ターボで覚醒したドリフト仕様のR34
多彩なチューニングメニューが確立されているRBエンジンだけに、日本でスカイラインのパワーチューンと言えばやはりビッグタービン仕様や排気量アップとなるわけだが、海外ではその限りではない。
欧米的な感覚だと、最も手っ取り早いのが大排気量のV8エンジンスワップ。このR34に搭載されているのは、コルベットなどに搭載されるLS系エンジン。そこに、ボルグワーナー製のビッグシングルタービンをフロントマウント。低回転から余裕のあるパワー特性を持ったドリ車に仕上げられていた。