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街乗りもできるギリギリを攻めた車高調整が秀逸
テクを磨いて筑波サーキット1分5秒台を目指す!
JZA80だけでも数百台が集まった『スープラ全国ミーティング』の会場で、ひときわ個性を放っていたスープラ。聞けば、仕様こそライトチューンと呼べる内容だったものの、タイムアタックシーズンともなれば月イチでサーキットに通うという超行動派オーナーの愛機だったのだ。
小さい頃からJZA80スープラが好きで、最初に買ったクルマもスープラ。1台目は仕事の事情で手放してしまったものの、どうしても諦めきれずに数年前に再び購入。以来、自分好みにコツコツとモディファイを続けているそうだ。
「走りを優先してフロントに265幅、リヤに295幅のタイヤを適正サイズのホイールにセットして履きたかったんです」と、前後に汎用のオーバーフェンダーを追加しているのが新鮮。派手さはないものの、玄人好みにまとめられたエクステリアが好印象だ。
エアロパーツは織戸学選手プロデュースのRIDOXをベースに、トップシークレット製ディフューザーやボルテック製GTウイングタイプ2をミックスして戦闘的なスタイルを構築。
エンジンはノーマルの2JZ-GTE。吸排気に手を入れた程度のライトチューン仕様だが「タイムアタックしていると油温が厳しくて…」と、銅3層ラジエターとオイルクーラーを追加。しかしそれでもクーリングに時間がかかってしまうため、今後はオイルクーラーを移設して効率アップを目指すという。
オーバーフェンダーの出幅は片側およそ30mm。このイベントでは、街乗り用として使っている前後18インチのエンケイGTC01RR(F9.5J+22&15mmスペーサー R10.5J+15&25mmスペーサー)と、ファルケンのアゼニスFK510(F265/35-18 R295/35-18)を装着していた。
なお、サーキット走行時は同サイズのボルクレーシングTE37とブリヂストンのポテンザRE71Rの組み合わせに変更するそうだ。
ブレーキは前後とも純正サイズのスリットローターに交換されており、ブレーキパッドはエンドレスのMX72プラスをインストールしている。
サーキットを走るようになってからはコンディションを把握できるように、ブースト計、油温計、油圧計、燃圧計、排気温計を追加。シートは「いつかはフルバケを入れたいと思っているんですけど、サーキットも街乗りもこれ1台なので…」と、セミバケを使っている。
ちなみに筑波のベストラップは1分7秒3とのことで「コーナーでミスしたところもあるし、アクセルを踏み切れてなかったところもあるんで、とりあえず5秒台を目指したいですね」とオーナー。
中古車相場の異常な価格高騰によって、気軽にイジれるようなクルマでは無くなった感のあるJZA80スープラ。だからこそ、“走ってなんぼ”の精神でチューニングが進められたこの車両は、激しいドレスアップ車両がひしめくイベント会場で一際輝いて見えたのかもしれない。
PHOTO&TEXT:Daisuke YAMAMOTO
●取材イベント:スープラ全国ミーティング2020