「あらゆるレスポンスを追求した超快感BMWミニ」笑っちゃうくらい良く曲がるジムカーナ仕様!

コーナリングが楽しすぎ! アクセルオンでインを向く!

コンパクトで軽量な初代BMWミニが楽しい

「パワフルなスーパーチャージャー付きエンジンを搭載していてミッションは6速MT。中古車価格も下がってきているので、チューニングベースの選択肢としてはベストだと思いますよ」と、初代BMWミニクーパーSのジムカーナ仕様を手がけた大阪の“Gフォース”神原さん。

エンジンは、パワーよりもレスポンスや信頼性の向上を狙ってチューニング。クランクプーリーを純正のゴムダンパー入りからアルミ製に交換し、リニアな過給を図ると同時に、プーリー径を拡大することでブーストアップも実現している。

また、インタークーラー交換で吸気効率を高め、高回転域での失火を防ぐためMDIのイグニッションコイルを装着。ECUはノーマルで、今後、手を加えていくとのこと。

併せてエンジン&ミッションマウントを全てウレタン製の強化品に交換。アクセル操作に対するエンジンの振れを抑えてレスポンスを向上させている他、シフトミスの可能性も低減させている。

排気系は純正触媒を使いながら、フロントパイプとリヤマフラーをワンオフ製作。メインパイプ径をφ70として排気効率を高めているのはもちろん、メインサイレンサーをセンタートンネル付近に設けて、リヤオーバーハング部の大幅な軽量化も達成している。

テールエンド手前に設けられるのはサイレンサーではなく、流速を上げるためのベンチュリーを内蔵。また、バッテリーボックス手前で右側に分岐するチャンバーは、排気脈動を使ってアクセル踏み直し時のレスポンスを高める。排気効率の向上や、メインサイレンサー移設による重量配分の改善だけに留まらないGフォースのノウハウが詰まったワンオフ品だ。

神原さんいわく、「これでリヤオーバーハングが20kgくらい軽くなりました。今までは限界域でリヤが唐突に流れてましたけど、それが無くなって挙動が大きく改善されましたよ」とのこと。

一方、足回りはD2レーシング全長調整式車高調にフロント14kg/mm、リヤ12kg/mmのハイパコ製スプリングをセット。プリロードをかけた時に正確な数値が出せる=軸重を変えて動かしたいところでストロークさせられる…という理由から選ばれた。

また、フロントにはワンオフのロールセンターアジャスターも装着される。

ブレーキはオーナーの希望で、フロントのみD2レーシング8ポットキャリパー+330mmローターで大容量化。パッドはウィンマックス製で、摩材の配合率をオリジナルとしたものになる。「リヤブレーキがノーマルなので、前後バランスを取るのに苦労しましたね」と神原さん。

ローポジション化が図られたブリッドフルバケとディープコーンタイプのMOMOステアリングによって、スポーツ走行に適したドライビングポジションを実現。運転席の正面にタコメーターが備わり、その隣にピボットブースト計が装着される。

ジムカーナ仕様でも、リヤシート&リヤ周りの内装トリムを外したくらいで軽量化は最小限に留められる。安全性向上のために装着された6点式ロールバーはGフォースのワンオフ品。

2~3速がメインになるワインディングでの試乗は、痛快の一言。軽量ボディにパワフルなエンジンのおかげで、上りでもストレスを感じることなく力強く加速していってくれる。

が、それ以上に感心したのがハンドリングだ。ノーズがステアリング操作にリニアに反応して、まずスムーズにターンイン。コーナリング中はロールがしっかり抑えられていて、不意に凹凸に出くわしても4輪がベタッと路面を捉えて離さないから、挙動を乱すような気配はまるで無し。コーナー立ち上がりでアクセルペダルを踏みこんでいくと、今度はジワジワと機械式LSDが効き始め、軽くインに巻き込みながらコーナーを脱出していくのだ。

思わず、自分の運転が上手くなったと錯覚するほど、アクセルオンで面白いように曲がってくれるハンドリング特性。それも挙動は終始安定したままだから、安心してコーナーを攻められる。

「ジムカーナ仕様って良く曲がるだろうけど、結構ピーキーなのでは?」。GフォースのミニクーバーSは、そんな思い込みを完全に吹き飛ばしてくれる1台だった。

●取材協力:レーシングファクトリーGフォース 大阪府摂津市鳥飼新町2-15-13 TEL:072-650-0051

【関連リンク】
レーシングファクトリーGフォース
http://www.g-force.ne.jp/

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