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VQ30DET改GT3037タービン仕様で460馬力を発揮!
“外観スマート、中身ハード”のドリフトスペック
シンプルなルックスのY33シーマ。ウイングはもちろん、ステッカーの類もなく、車内に視線を移しても、バケットシートこそ装着されているがレザー張りのゴージャス仕様である。初見ではいわゆるVIP系のドレスアップカーと思いがちだが、実はこのシーマ、ドリフト仕様としてキッチリとチューニングされているのだ。
心臓部はVQ30DET改GT3037シングルターボ仕様だ。エンジン本体には手を入れてないため、ブースト圧は1.2キロに抑えられているが、それでも約450psを発揮するハイスペック。合わせてミッションも、純正ATからZ32の5速MTへと換装している。
タービン交換と同時に、インタークーラーやオイルクーラー等はサイズや位置をイチから見直した。エンジンルームのスペース確保が難しく、タービンやクーリングのレイアウトには相当苦労したそうだ。
サスは圭オフィス車高調を使用し、フロントは内部パーツを改造して減衰特性を変更。アーム類はアライメントの自由度を求めて大半を調整式とし、合わせてブッシュもピロに打ち替えている。
ドレスアップ色の強いホイールはクレンツェの18インチ。ブレーキは、パワーの増大に合わせてプロジェクトミューのビッグサイズ2ピースローター+BNR32キャリパーの組み合わせに変更済みだ。
エアロはオートクチュール製でフロントはランクル用フォグを埋め込み加工している。リヤウイングがないシンプルなスタイルが特徴的で、エアロのデザインも大人しめ。少なくとも外観からは、チューニングカーであることは気づきにくい。
車内には追加メーターがセットされているのだが、その場所はグローブボックス内。閉じれば至って普通のシーマのダッシュ周りになるわけだ。オーナーが“これみよがし”でない仕上げを狙っているのは、こうしたメイキングからも見て取れる。
シートはブリッドのセミバケ2脚を使用。ただ装着するのではなく、ドアパネルなどと一緒にレザー張りで仕上げているのがポイント。さらに、ダッシュボードなどの樹脂部をペイントすることで車格に見合った高級感を演出する。
ルックスはストリートVIP風ながら、その気になれば全長5メートルに迫るセダンボディを活かした迫力満点のドリフトでギャラリーを沸かせる。そのギャップこそが、このシーマの狙いであり見どころというわけだ。