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北米トヨタのタンドラ・クルーマックスを超改造
巷ではアウトドアが大きなブームへと成長し、ひと昔前のモーターキャンプはバンライフとその呼び名を変えている。さらに細分化したアウトドアシーンでは、ルーフテントにも注目が集まり欧米のアウトドア×モーターシーンをクロスオーバーした、本気のオーバーランダーも続々と登場しているのだ。
ロングトリップもお任せのオーバーランダー
アウトドアカルチャーもモーターカルチャーも日本の一歩先を行く欧米では、ルーフテントを使った“オーバーランド”が最旬のアウトドアムーブメント。
ポップアップ式のルーフテントを軸にすれば、テント設営/撤収の時間が短縮できるし、何よりも獰猛な野生動物を避けて安心して眠ることができる。中でも道を選ばないクロカンやピックアップとのコンビネーションは、もはや最強のオーバーランダー。自然の中をどこまでも突き進み疲れたら眠る。整備されたキャンプサイトでは満たされない冒険心を刺激する、アドベンチャー・トリップが満喫できるのである。
そんなオーバーランドを日本で実践しているのが、このタンドラオーナーの橋本さん。
「このタンドラは8年ほど前に購入し、当初はプリランナー仕様を目指していたんです。が、ちょうどその頃キャンプもはじめて、徐々にオーバーランダーに変化していった感じですね」。
橋下さんのタンドラは、日本未導入となる北米トヨタのフルサイズピックアップ。その中でも、最大級のボディサイズとなるクルーマックスがベースだ。当初は35インチタイヤを組んでいたものの、次第に本気のリフトアップへと変化し、現在は37インチにフロント3インチ、リア4インチのリフトアップ仕上げ。さらにベッドラックやルーフテントを追加しつつタープやウォータータンクなども積載し、気が向けばどこでも野営できるセットアップが完了しているのだ。
細部を見ていく。ヤキマ製のヒッチに付けられるサイクルキャリアは、キャンプ地での移動に使用するMTBを積載。クルマがベースキャンプになってしまうため、近場の移動には必須の装備というわけだ。
ルーフテントは欧米でもシェアを持つiキャンパー製をチョイス。このサイズで大人2人+αの就寝人数のため、ファミリーキャンプでもキャパシティは十分。季節によっては、ハンモックやコットで寝ることもあるのだとか。
扇状に展開するタープはライノラック製。車体片側だけに展開する通常のタープとは違い、ベッド部分まで覆うことで、スペースが有効活用できるのは選択した理由だ。もちろんひとりで簡単に展開できるのもポイント。
レイターナー製ベッドラックのサイドにはツールボックスをセット。仕事やレジャーでピックアップをフルに使いこなすアメリカだけに、様々なアタッチメントが用意され、組み合わせ次第で利便性も大きく向上する。
足元はウォーカーエバンスレーシングのリムに、ファルケン・ワイルドピークの37インチをセット。当初は35インチを履いていたものの、ボディに対してタイヤが小さく感じたことから、足回りのリフレッシュを行なっている。
37インチ化に合わせ、足回りはフロントにキングのダンパーユニットを組み合わせつつ、アッパー/ロアアームはロングトラベル仕様へと変更。ちなみにリアはicon製のリフトアップリーフを使用する。
タイヤの外径アップとともにハミタイになってしまったため、フェンダーはプラスワークスアンリミテッド製のファイバー製ワイドに前後とも変更。約10センチのワイドは、タンドラクルーマックスのボディをさらに巨大化させているのだ。
プリランナー時代からそのままのフロントガードは自作アイテム。真っ暗闇の中を走ることもあるため、アシストランプをセットしつつフォグカバーはマニア心くすぐるKCでアクセント付け。
橋本さんの本業は、カーオーディオなどの電装を得意とするオートショップ。その技術を生かして、ヘッドユニットは本来搭載できない10インチのナビユニットをカスタムインストールしている。
「子供たちの長期休暇に合わせて、家族4人で東北一周や四国一周など、1週間かけて出掛けることもあります。時間に縛られたくないってこともあるので、行った先でキャンプ場を探すんですが、満員だったり車体がデカすぎて入れないなんてこともあります…。そんな時は、海辺や河原で泊まっちゃうんですけど、意外と楽しいもんですよ」。
オーバーランドなら家族旅行もまさにアドベンチャー・トリップに変化するというわけだ。
OWNER:橋本 彗
TEXT:渡辺大輔/PHOTO:土屋勇人