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オーナーのセンスの良さが光るR33GT-R!
心臓部にはオーテックツカダ渾身の2.7L仕様を搭載!
「自分だけの1台に仕上げれば、そのクルマと長く付き合えますからね」。そう語るのは長いブランクを経て再びサーキットを走るために、かつての“相棒”と同じBCNR33を手に入れたオーナー。
以前乗っていたR33では純粋に速さだけを求めていたが、冒頭のコメントが端的に表すように、今回はルックスまで含めて唯一無二の1台を目指すことになった。
注目は、まずエアロミックスだ。アブフラッグ、トップシークレット、ハセミスポーツ、オートセレクトと計4ブランドを巧みに組み合わせて構築。聞けば「パソコンに片っぱしからエアロの画像を取り込んで、カッコ良く見える組み合わせをシミュレーションしたんです」とのこと。
細部を見ていく。前後オーバーフェンダー化に合わせて純正フェンダーを大きくカット。リヤはインナー&アウターパネルを溶接し直すなど大幅な加工が行われている。結果、全幅を100mm拡大した迫力のボディとワイドトレッド化によるコーナリング性能の向上を実現。まさに、機能とルックスを両立したエクステリアチューンだ。
純正バンパーに取り付けられたカナードは上がハセミスポーツ、下がオートセレクトで、リップ部にはオートセレクトデビルスポイラーを装着。さらに、カーボンボンネットはトップシークレット、オーバーフェンダーはアブフラッグとなる。
サイドステップとリヤバンパーそれぞれの下部をブラックアウト。オーナーいわく「別体でアンダーパネルやディフューザーが付いているように見せたかったんですよ」とのこと。また、リヤバンパー中央のアウトレットダクト周辺も黒く塗装することで、大幅なイメージチェンジを果たしている。
トランクパネルに装着されたリップスポイラーの一部にステーを逃がすための加工を施し、トップシークレットGTウイングをセット。他に類を見ない組み合わせで、個性的なリヤビューを生み出すことに成功している。
もちろん、ルックスだけに留まらずエンジンチューンだって抜かりなし。心臓部は、純正0.5mmオーバーサイズのHKS鍛造86.5φピストンを組み、排気量を2.7Lに拡大したRB26DETTだ。コンロッドとクランクシャフトはノーマルだが、重量合わせとバランス取りが行われる。タービンはGT2530ツインで、最大ブースト圧1.25キロ時に550psを発揮。レブリミットは7600rpmだ。
マフラーは、排気効率の大幅アップを実現するためメイン90φ、テールエンド130φとしたATTKD美響チタンを装着。その他、ビッグタービンエクステンションや80φチタンフロントパイプなどの排気系パーツもATTKDでまとめられている。
一方、足回りはクァンタムCRにノヴァスプリングという組み合わせ。フロント16kg/mm、リヤ14kg/mmのバネレートはサーキット走行を狙ってのチョイスだ。ブレーキはフロントにエンドレスレーシング6キャリパーキット、リヤにBNR34ブレンボ+エンドレスローターを導入して容量アップ。
室内も美しい仕上がりだ。車両の各種情報はスタックST8100で集中管理。機能的なだけではなく、ダッシュボード周りをシンプルに仕上げるのにもひと役買っている。また、グローブボックス部にはF-CON Vプロがセットされる他、エアコンやオーディオといった快適装備もしっかり残されている。
速さと美しさを兼ね備えた万能型GT-R。オーナーのセンスの良さが光るスーパーチューンドだ。
●取材協力:オーテックツカダ 長野県長野市大豆島5862-1 TEL:026-221-3086
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