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エンジンブローをきっかけに自動消火装置も装備
迫力のエアロキットも加工により完全車検対応に！
唯一無二の圧倒的な迫力を演出する、パンデムのワイドボディキットを纏ったGRヤリス。その存在感に思わず足を止めてオーナーに話を伺ってみると、「これが最大の自慢ですよ」と示されたのがフロントウィンドウに掲げられていた車検証。何と、このスタイルのままで構造変更済みの完全合法仕様だったのである。「自分の知る限りパンデムワイドボディで公認取得しているのは、日本でこのマシンだけです」と説明してくれた。
オーナーの“パンデムワークスさん”は大ベテランのカスタムフリークで、RCグレードのこのGRヤリスは約2年前に数ある愛車コレクションに加えたもの。きっかけは一目惚れだったそうだが、オーダーを入れた時点でワイドボディキットのインストールを心に決め、納車前から陸運支局（車検場）に足を運んで公認取得に向けての準備を進めたという。
合法化にあたっては、ボディキットの取り付け方法などまで細かく指示されたが、大型のリヤウイングは問題なし。フロント、サイド、リヤスポイラーは最低地上高をクリアするように装着。フロントのカナードは端部にモールを追加することで保安基準適合となったとのことだ。
パワーチューニングも抜かりなし。イベンチュリーのカーボンインテークとフジツボのフルチタンエキゾーストで吸排気効率を高めた上、HKSのパワーエディターでブーストアップを敢行。全域でのパワー&トルクアップを達成している。
なお、このGRヤリスに搭載されているエンジンはこれが2機目で、1機目は原因不明のブロー＆出火で息絶えてしまったそう。その時の経験から、エンジンルームにはブレイズカット社製の自動消火システムを装備。さらに最悪の事態を想定し、車内とトランク内にも消化器をセットする念の入りようだ。
ナビスペースにセットされたAEMのCD5マルチモニターと4点式ロールケージのコンビネーションが、本気系を予感させるインテリア。ドライバーズポジションは、ブリッドのVIOSIIIとMOMOのスポーツステアリングで最適化している。
足回りはクスコのスポーツR車高調を軸にセットアップ。リヤのアライメント調整幅を拡大するために、アッパーアームは調整式に変更済みだ。ブレーキは、フロントにブレンボの6ポットキャリパー＋355mmローターを投入してストッピングパワーを高めている。
足元で存在感を主張するホイールは、名作グループCを現代の技術で復刻させたボルクレーシング21C（FR9.5J×18）。力強い5本スポークとブロンズカラーがお気に入りで、堀の深いディープリムがパンデムのワイドボディキットにマッチしている印象。タイヤは街乗りでの快適性を重視し、BSレグノ（FR265/35R18）をセットしているのもポイントだ。
カスタムから公認仕様までのほとんどを、自身で行っているパンデムワークスさん。このGRヤリスの他に、超レア車のアルトワークスR（HB21S）でもカスタム＆サーキット走行を楽しんでいるとのこと。羨ましすぎるチューニングカーライフだ。
PHOTO＆REPORT：川崎英俊
