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マーチニスモSをベースにさらなるスポーツ性を追求!
ニスモが誇る最新スペックマーチをターザン山田が試す
K13型マーチのトップグレードであるマーチニスモSを、トータルでよりスポーティに仕上げてきたのが日産のモータースポーツ部門を担う“ニスモ”。コンパクトスポーツとしての潜在能力を引き出すべく各部に手が入っているが、スタッフの遊びグルマという存在でもあるため、サーキットスペックとして進化を続けている。
マーチニスモSに搭載されるエンジンは、専用チューンが施されたHR15DE。116ps/15.9kgmというパワースペックを誇るが、これにニスモは“スポーツリセッティングタイプ3”と呼ばれる独自のチューニングを慣行し、さらなるパフォーマンスアップを狙ったのだ。
このチューニングは、ドライカーボン製サクションパイプ&φ60スロットルチャンバーからなるカーボンサクションキットと、徹底的に煮詰め上げたECMで構成される。マーチ用は33万円(部品代+工賃込み)の設定で、中間域のトルク特性と高回転域でのパワー感を向上させたいオーナーには大注目のメニューと言えるだろう。
ヒートグラデーションで彩られたテールエンドとニスモロゴが眩しいエキゾーストは、純正比マイナス6kg(4.1kg)を実現した超軽量のチタン合金製マフラー。低回転域では控えめなながら、回せば回すほどチタン素材らしい乾いた高周波エキゾーストサウンドを奏でてくれる。近接排気騒音は89dBだ。
レイズとの共同開発にて生まれたホイールはアルミ鍛造の試作モデル。サスペンションは、オーリンズ製の車高調をベースにニスモ大森ファクトリーがオリジナルセッティングを施したモデルを装着。独自のノウハウで減衰力セッティングを施すことで、ストリートからサーキットまで対応できるしなやかな味付けが特徴となる。
また、コーナリング時のインリフトを抑え、アクセルワークによるマシンコントロールの幅を飛躍させてくれる機械式LSD(1.5WAY)もインストール済みだ。
室内で目を惹くのは、表皮の張替えが行われたステアリングハンドル。このアイテムも現状では試作品とのこと。シフト周りでは、ソリッドで素早い操作を可能にするクイックシフト>シフトノブが与えられているのがトピックだ。
エクステリアは、ニスモのレーステクノロジーが凝縮されたフロントアンダースポイラーとルーフスポイラーを装備。挿し色にレッドのストライプテープを貼り付けてスポーティ度を盛り上げている。
試乗インプレを担当したターザン山田は「この軽快感とクイックさは面白いね。スパッと曲がっていくFFらしい動きが楽しい。1.5WAYのLSDが入ってるってことで、コーナーでもフロントがしっかり搔いて前に進んでいる感じがする。本格的にサーキットを走ろうと思ったらまだやることはあるけど、ストリートメインの遊びクルマとしてみれば良いバランスだと思う」とコメント。
これらのチューニング&リフレッシュメニューはスペシャルではなく、ニスモ大森ファクトリーでユーザーに提供しているものだ。何より、K13マーチを知り尽くしたメーカー直系ワークスによる各部のアプローチは、オーナーにとって参考になるものばかりではないだろうか。
PHOTO:金子信敏
●取材協力:ニスモ TEL:0120-846-423
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