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有り余る低速トルクを抑えながら弱点を見直していくことが正攻法
ヘビー級の4WDだけに駆動系にも気を配りたい
GTOチューニングを得意とする兵庫県の“ピットロードM”。「オーナーなら、みんな惚れこんでる部分やと思うけど、まずスタイリングがカッコえぇ。それと3.0Lターボエンジンを積んだ4WDいうのも魅力やろな。“重い、走らん、曲がらん”ゆうイメージがあるかもしれんけど、少なくとも僕も含めて乗ってる人たちは、そう思っとらんわな」と森下代表は言う。
台数としては圧倒的に前期型が多く、取材車両(青)は定番と言える後期マスク移植が行われた前期型だ。ターボモデルで話を進めていくと、まずエンジンは2種類、それに組み合わされるミッションは3種類ある(MTに限定/ATの設定もあり)。
エンジンは前期の前期がデスビ付きなのに対して、前期の後期からはデスビレスとなり、カムプロフィールやラッシュアジャスターも変更を受けているのが大きな違いだ。ただし、どちらにも共通して言えるのは“エンジン特性が極端に下フリ”ということ。
そこでピットロードMでは、高回転域でのパワー感やフィーリングを改善するためフロントパイプをオリジナルで開発。これは、パイプ径を60→65→80φとし、集合部形状にも徹底的に拘った逸品。前バンクの排気の流れで後バンクの排気をスムーズに抜く設計とされ、高回転域の速さはもちろん、日常域での使いやすさも向上させているのだ。
根本からパワー増強を狙うなら、やはりヘッドチューン&タービン交換がベターだ。取材車両は、腰下ノーマルのままM-SPLハイリフトカムタイプII(IN/EX264度)や強化バルブスプリングを組み、M-SPL TD04Lタービンが2基がけされた500ps仕様となる。アクセル全開時に噴射されるNOSにより、さらに30psを上乗せする。
冷却系も要チューニングポイント。「ローテンプサーモは大前提で、ラジエターやオイルクーラーも交換したい。効果が大きいんはエア抜きタンクで水温が安定するよ。もちろん、クーラントやエンジンオイルにも拘りたいね」と森下代表。
ミッションは前期が5速、中期以降が6速で、いずれもゲトラグ製。パワーを上げていくと、前期の前期はトランスファーに繋がるシャフトが細いため折れやすく、アルミ製トランスファーケースも剛性不足で割れたりチギれたりといったトラブルを起こしがち。それが、前期の後期になるとシャフト径アップやトランスファーケースへのリブ補強追加といった対策が施され、さらに中期では6速化に加えてケースの鋳物化が図られるなど、次第に強度&耐久性を高めていくのだ。
一方、足回りはアフター品が非常に少ないが、ピットロードMでは様々なオリジナル品を用意している。取材車両はアラゴスタベースのM-SPLコイルオーバーサスペンションキットタイプI車高調を装備。フロント16kg/mm(10〜18kg/mmから選択可)、リヤ10kg/mm(6〜14kg/mmから選択可)のスプリングが組まれたモデルだ。
さらに、走るステージに合わせた最適なリヤサスセッティングを実現するのはもちろん、ルックス重視で車高をベタベタに落とした時、キャンバーを起こしてツライチにもできるアジャスタブルリヤキャンバーアームもセットしている。
駆動系ではシフトフィールの改善やミッションへの負担軽減に効果があるカーボンクラッチ、リヤへの駆動トルク伝達がダイレクトになって4WDらしいトラクションの掛かり方を見せるカーボンプロペラシャフト等もオススメ。大幅な軽量化が図れるという意味でも、重量級のGTOでは効果の大きいチューニングだ。
●取材協力:ピットロードM 兵庫県姫路市安富町安志912 TEL:0790-66-3359
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ピットロードM
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