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オーバー600馬力の強心臓を武器に闘うFRモンスター
軽量化なしで鈴鹿2分10秒台に突入!
2019年末の鈴鹿サーキット走行会で2分11秒台を記録し、業界を騒然とさせた“スクリーン”のZN6型86。このタイム、ナンバー付き86のコースレコードであることはもちろん、1000psクラスのR35GT-Rとも渡り合えるほどのタイムなのである。
以後、最強86は各部のブラッシュアップを続け、最終的には2分10秒入り(2分10秒795)を果たすまでに速さを増した。
チューニング内容をチェックしていく。まず何と言っても注目なのはパワー系だ。FA20エンジンはHKS製ローコンプピストン、I断面コンロッド、ロングストローククランクを組み込んだ2.1L仕様で、ポートなど各部はスクリーンオリジナル加工が施されている。過給機はターボチャージャー仕様で、選択しているのはHKSのGTII8267という大風量タイプである。
ハイパワーに合わせて燃料系もポートインジェクターをHKSの555cc大容量タイプに、燃料ポンプも強化品に変更。ECU-TEKによりメインコンピュータのプログラムを書き換えて、きめ細やかに制御しているのもポイントだ。最大ブースト1.5キロの設定で、最高出力623ps、最大トルク66.8kgmを叩き出している。
足回りは、D2ジャパンのラインナップの中で最上級モデルとなるスーパーレーシング3WAYを軸に構築。バネレートはフロントが14kg/mm、リヤが16kg/mm。その他、レボリューションの調整式スタビリンクやマルシェの補強パーツなどを投入する。
装着タイヤはラジアルのポテンザRE12Dで、前後とも265/35R18を装着。ホイールはボルクレーシングTE37SL(9.5J×18+45)だ。あくまでストリートスペックということで、ラジアルタイヤに拘る。
室内はシートをホールド性の高いレカロRMSに変更する他、トラストのブースト、水温、油温、油圧計を装着。ストリート仕様のコンセプト通り、ドアパネルやフロアカーペット類は全て装備され、軽量化なしのほぼノーマル状態のため、車重は1300kgとなっている。
ドライブトレインはミッションをホリンジャーの6速シーケンシャルタイプに変更。クラッチはORCのツインタイプ、機械式LSDはクスコRSという組み合わせだ。
アタッカーを担当するレーシングドライバーの蒲生選手は「この86は、エンジンパワーでタイムを稼ぐという方向性。GTウイングこそ付いているけど、ワイド化もしていないし、S字のようなコーナーではワイドなトレッドや強大な空力デバイスに助けてもらえないという部分があります。その分、抵抗は少ないから最高速が伸びるんですよね。まだまだタイムを削る余地はありますよ」とコメント。
次なる目標は、言わずもがな2分10秒切りだ。現行型のデモカーと共に、今後このストリート最強ZN6型86がどのように進化していくのか、その動向には注目していきたい。
●取材協力:スクリーン TEL:022-348-3761
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