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「4862GTR-700R」をトップチューナーがガチ検証
MAX800馬力のオールラウンダーを狙うなら最強の選択か!?
キャタライザー&ECUセッティングのブーストアップで、650psが楽に狙えるR35GT-R。そこにマフラーやインタークーラーなども加えれば、レスポンスアップや高回転領域の強化にも繋がり、完成度の高い1台へと仕上げられる逸材だ。
しかし、ブーストアップからさらなるパワーを求めてタービン交換へ取り組む際に悩ましかったのが、低中速域のレスポンス低下というネガ要素だ。
フェニックスパワーでは、これまでタービン交換を考えるユーザーに対して、エンジン本体ノーマルでも840psが狙え、エンジン本体を強化すれば900ps、25G化で1000psオーバーも狙える拡張性の高さからトラストのTD06SH-20Gキットを推奨していた。ただ、パワーバンドが高回転寄りとなるため、4000rpm以下がブーストアップよりもダルなフィールとなる弱点があった。
そこでテスト的に投入したのが、ブリッツのボルトオンターボシステム「4862GTR-700R」だ。ニスモGT3タービンをベースにアルミ削り出しコンプレッサーホイールを与えたこのモデルは、レスポンスとパワーを兼ね備えたハイフロータービン。
純正触媒前提の対応最高出力は700psとされているが、フェニックスパワーではインジェクターの大容量化やメタルキャタライザーの装備で、TD06SH-20Gに迫る812.32ps&115.16kgm(ブースト1.6キロ)ものパワーを引き出している。
なお、高回転までしっかりとパワーを引き出すべく、インタークーラーはTD06SH-20Gタービン仕様で推奨されるトラストのタイプ29Fをチョイスする。
ブーストアップ時からフェニックスパワーが強く推奨するのはDCTオイルクーラー。簡単に650psものパワーが引き出せるマシンだからこそ、そのポテンシャルを余さず伝達できるミッション環境へと導くことは重要だ。また、油温の最適化はクラッチやミッション、DCTフルードをいたわるだけでなく、水温上昇の抑制にも繋がる。
純正でブレンボのブレーキシステムを採用するR35GT-Rだが、タービン交換で引き出したハイパワーと車重を考えると、パッド交換程度ではスポーツ走行時に不安がつきまとう。引き出したポテンシャルを存分に味わうために、取材車両にはエンドレスのモノブロックシステムが与えられている。
普段は21インチのアドバンレーシングGTとパイロットスポーツをマッチングするが、サーキット等を走る際には20インチに変更。軽量かつ高剛性なBBS RI-Dと、グリップレベルの高いポテンザRE-71Rで800psを受け止める。
「ブーストアップ仕様からのステップアップに最適ですね。800psクラスならGR6ミッションもDCTオイルクーラーの追加だけで問題ないですし、ブーストアップからのステップアップに打って付けのタービンですね。タービン交換をする時は、ゆくゆく1000psも狙うならTD06SH-20Gを、800ps付近でオールラウンダーに仕上げるなら4862GTR-700R、といった具合に考えれば良いでしょう」とフェニックスパワー横山代表。
ノーマルタービンのように扱いやすく、それでいてタービン交換とも遜色のないパワフルさ。まさにR35GT-Rの魅力を引き出すのに最適なポン付けタービンというわけだ。
SPECIFICATIONS
■エンジン:ブリッツ・ボルトオンターボシステム(最大ブースト圧1.6キロ)/トラスト スポーツキャタライザー、ブローオフバルブ、エアインクス、タイプ29Fインタークーラー/RH9 90φチタンマフラー/フェニックスパワー アプリケーションCPU、フューエル電源ライン強化、フューエルレギュレターアタッチメント/サード 900ccインジェクター、強化フューエルポンプ×2 ■ドライブトレイン:トラスト DCTオイルクーラー ■サスペンション:アラゴスタ タイプSA(F16kg/mm R10kg/mm) ■ブレーキ:エンドレス ブレーキキャリパーキット(FレーシングMONO6 RレーシングMONO4)、MX72パッド ■ホイール:BBS RI-D(F10J×20+35 R11J×20+15) ■タイヤ:ポテンザRE-71R(F225/40 R285/35)
●取材協力:フェニックスパワー福井店 福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店 京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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フェニックスパワー
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