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20B改NAペリ仕様のセブンで戦う元スーパーGTドライバー!
圧倒的なコーナリングスピードで54秒入りを目指す
セントラルサーキットの社長であり、過去にはスーパーGTシリーズのGT300クラスでシリーズチャンピオン(RE雨宮レーシング)を獲得した経歴を持つ、“シャーク井入”こと井入宏之選手。近年は、マイカーのFD3S(3ローターNA)を駆ってのタイムアタックに全力を注いでおり、その走りはターボ車をも凌ぐ実力を発揮している。
筑波サーキットで55秒595という記録をマークしているRX-7は、軽量化&空力向上を施したボディに、20BのペリフェラルポートNAユニットを搭載。レブリミットは9000rpmまで引き上げられ、最高出力は390psを発揮する。制御はモーテックM84だ。
ミッションには2019年シーズンからOS技研の7速シーケンシャルを導入。このミッションは試作段階から開発に携わっており、フィーリングまで改良を重ねてベストな状態を作り上げた逸品だという。
アタックごとにアップデートを重ねてきたが、2019年シーズン前に空力の向上を目指してエアロパーツをリニューアル。とくにフロントには大型のカナードを追加して接地感を高めつつ、操舵性の向上を目指した。合わせてリヤウイングも翼端板を延長しながらボディに固定。より強力なダウンフォースを手に入れ、安定性やトラクション性能を高めている。
一方の室内は、完全なレーシング仕様だ。ボディパーツ同様にカーボン製ダッシュボードを投入するなどして車重を1040kgまでシェイプ。メーターはAIMのロガーで走行情報を取り込み解析を行う。
空力性能が高まったボディで、サスペンションを的確に動かすためには補強が重要だ。サスペンションの支点となるストラットタワーはもちろん、ボディ全体に追加スポットを打つなどして剛性を大幅に高めている。
足回りは、スピリット製ダンパーをベースに井入選手が煮詰め上げたオリジナルの“鮫スペシャル”を軸にセットアップ。スタビもレース用の調整式だ。スプリングはエアロパーツのリニューアルに合わせて前後30kg/mmまでレートアップした。
ブレーキは前後ともにエンドレスのモノブロックキャリパーシステムを導入。重量増を最小限に収められるだけでなくフィーリングも絶妙で、コーナリングを重視したNAマシンだからこそ拘ったポイントだ。
「エンジンも足もベストに近い状態だから、あとは空力を進化させて条件さえ整えば54秒台にも届くと思う」とはシャーク井入のコメント。
ちなみにこのマシン、筑波サーキットの最終コーナーを含む第3セクターでは、倍以上のパワーを誇るターボ車を凌ぐ9秒5というタイムを叩き出している。それだけコーナリングスピードが速いのである。今後の躍進に期待したい。