「まさに羊の皮を被った狼!」このシンプルなマークIIに1000馬力のエンジンが搭載されているなんて・・・

3.4L仕様のJZX100ナンバー付きドラッグスペシャル

エアコン&ナビ・オーディオ付きの快適自走でレースに参戦!

シンプル&クリーンなエクステリアからは想像も付かないだろうが、このJZX100型マークIIの心臓部にはオーバー1000psを可能にする3.4L仕様のフルチューン2JZが搭載されている。

ターゲットステージをドラッグを定めた上、ナンバー付きという自己レギュレーションを設けて岩手県の“ヴォルテックス”が製作したリアルチューンドだ。

注目のパワーユニットは、ノーマルの86φ×86mmから87φ×94mmにボア&ストロークアップされたHKS3.4L仕様の2JZ-GTEを搭載。ベース車のJZX100がオートマだったことから、ハーネスの互換性が高いという理由でJZS161型アリスト用の2JZ-GTEを使っている。

1000ps対応を大前提に、EXマニには2JZ用としては最大径のトラスト製JZA80用45φを選択。タービンもそれに合わせてトラストのT88-38GKをセレクト。街乗りもするため、マージンを取った上で最大ブースト圧は2.0キロに設定される。

JZA80用EXマニを使ったことで、そのままのレイアウトだとウエストゲートがステアリングシャフトに干渉してしまう。そのため、ウエストゲートの取り付け角度をオフセットさせるアダプターを製作し、横に逃がして対策している。

インタークーラーパイプは75φから100φまで拡張し、国産最大口径の100φビッグスロットルであるナプレック『DRAG100』に接続。各シリンダーに均等に吸気を送る大容量サージタンクや1000ccインジェクター&デリバリーパイプなど、ハイパワー化に見合うチューニングが施されている。

インタークーラーやアルミ3層ラジエター、オイルクーラーなど冷却チューンはバッチリ。1000psオーバーをねらうハードチューン車には珍しくエアコンはそのままだが、純正より面積の小さいHPIラジエターレスキューを使うことで、可能な限りロスを減らしつつ快適性も確保している。

トランクルームにコレクタータンク、燃料ポンプ、フィルターをレイアウトしてガソリンを安定供給。さらに燃料のパーコレーション防止用にフューエルクーラーを設置、空燃比の安定とトラブル防止を図っている。

ミッションはOS技研のRB26用6速シーケンシャルを加工流用したもので、ベルハウジングが2JZに合うようにアダプターをワンオフ製作。さらにトランスファーをカットして穴埋めし、FR用として使える状態に加工されている。

F-CON Vプロの下にあるのは、ドラッグのスタート用に使っているミクスチャーコントローラー。任意の回転数でミスファイアリングさせて、ゼロスタートからフルブーストを掛けるためのパーツだ。なお、赤いミサイルスイッチはバーンナウトに使うラインロックのスイッチ。

ここまでピークパワーを追求していながら、エアコンやオーディオをそのまま装備しているのもポイント。これは「自走でドラッグレースに参加して自走で帰れること」というオーナーのポリシーを反映したもの。つまり、ナンバー付きでストリートも走れる仕様なのだ。

エクステリアは非常にシンプルなメイキング。ヴェルテックス・リッジのフルエアロと前後ワイドフェンダーを装着し、リヤにフージャーDOTドラッグラジアル(275/40-17)を履かせる。前後ブレーキはJZA80純正だ。

内に秘めた超絶パワーを一切感じさせないそのメイキングは、まさに羊の皮を被った狼という言葉が相応しいだろう。

●取材協力:オートランドヴォルテックス 岩手県北上市相去町松の木38-1 TEL:0197-62-3350

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