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テーマは“走るリバティーウォーク”!
圧巻のワイドボディ仕様も注目
2021年のフォーミュラドリフトジャパン開幕戦(鈴鹿ツインサーキット)でデビューと同時に単走優勝、そして追走トーナメントでも5位に入賞するなどそのポテンシャルの高さを見せつけたのが、リバティーウォークのS15シルビアだ。
この超ワイドボディ仕様のS15シルビアは、元々リバティウォークが開催してきたプラモデルコンテスト『俺のリバティーウォーク』で総合1位に輝いた作品を実車化したもの。往年のスーパーシルエットを彷彿とさせるスタイルは圧巻の一言だが、この車両を製作する過程で加藤代表がイメージしたのがドリフトシーンで活躍する姿だったそう。
そこから計画を煮詰め、フォーミュラドリフトジャパンをターゲットに本格チューニングを開始。そして心臓部は、エクステリアに見合うオンリーワンの個性を求めて4ローターターボエンジンの搭載を決意した。
エンジンに関するカスタムやファブリケーションは、競技用4ローターマシンの実績が豊富な兵庫県の“TCPマジック”が担当。ロータリーエンジンは回転軸(エキセン軸)が高いため、搭載時の位置決めなどにはかなり苦労したそうだ。なお、パワースペックはマッドマイク号(FD3S)と同一のブリッジポート+ギャレットGTX3582Rタービン仕様。ハルテックのR5ECUにて制御を行ない、1200ps&95kgmという出力を引き出している。
ラジエターはファンと一緒にキャビン後方へ移設して重量配分を最適化。外気エアをコアへと効率よく導くために、ダクトを設置して取り込んでいる。燃料タンクはラディウムのレース用だ。
駆動系はホリンジャーの6速シーケンシャルドグからワンオフプロペラシャフトを経て、クイックチェンジに繋がるレイアウト。このクイックチェンジは、数分でファイナルギヤ交換が可能なため、競技ドリフト車両の間で装着率が高まっているパーツだ。
アームやナックルにはワイズファブのV2ロックキットをフル投入し、驚異的な切れ角を実現。ショックアブソーバーの仕様やアライメント等は暫定とのことが、含め、今後もここらはさらにセットを煮詰めていくそうだ。
往年の暴走族スタイルを現代にアレンジしつつ、最高峰の競技ドリフトに合わせたリファイン&チューニングも敢行した超大作。その姿はまさしくリバティーウォークのアイデンティティを示している。まさに最強だ。
●取材協力:リバティーウォーク TEL:0561-51-0001