「普段使いにミラウォークスルーバンはマニアック過ぎ!」鬼才チューナーが選んだ足グルマがこれだ!!

洒落た軽バンなんていかが?

荷物運搬も長距離運転も楽々!

仕事に使うクルマにも、つい趣味性を求めてしまう人は多かったりする。EV化の波が押し寄せるこの時代に独自の燃焼理論を唱え、内燃機関の未知なる可能性をストイックに追求する“オフィストミタク”代表の富松さんもそんな一人だ。

これまでのアクティバンに代えて、普段乗りや荷物の運搬に使うクルマとして選んだのはミラウォークスルーバンだというのだから、なかなかマニアック。

購入は半年ほど前。知り合いのクルマ屋で管理していたワンオーナー車を譲ってもらった。「1995年式で走行19万6000km。距離は走っとるけど、前のオーナーさんがきっちり3000km毎にオイルを交換しとったもんでエンジンの調子はええね。タペットカバーはピカピカやし、ピストンの状態もええんよ」と富松さん。

また、ミッションは3速ATだけどアクティバンよりも軽快な走りを見せる。「まず、車重がアクティバンより200kg以上も軽い700kgしかないもんで出だしが良い。それから積極的にミッションがキックダウンしてくれるんよ。だから、加速してほしい時にもたつかない」とのこと。

エンジンはEF-CL型。燃料供給はシングルキャブレターが担当し、カタログスペックは40ps/5.3kgmとなる。プラグコードがNGK製シリコンタイプに交換されている以外ノーマルだ。

富松さん曰く「アクティバンに比べると走ってて静かなんよ。ボディ側の遮音は大したことないと思うんで、恐らくエンジン本体が静かなんかな? EF-CL型はシリンダーブロックが鋳鉄製なんで、もしかしたらその辺が効いとるのかも分からんね」。さらに、タイミングベルトやウォーターポンプ、オルターネーター、エンジンマウントなども交換済みだ。

メーターパネルとクラスターはL200ミラと共通だが、ダッシュパネルはウォークスルーバン専用設計。「これが樹脂製でなく鉄板で作られとるんよ。だから、マグネットクリップとかも使えるんやね。それとダッシュボード上面も鉄板でできとるんやけど、メーター部分を大きく盛り上げてる造形は見事としか言いようがない。まさに職人技やね」と感心しきりの富松さん。商用車とはいえ、ミラウォークスルーバンにはしっかりと手間暇コストが掛かっているのだ。

商用バンのため本来は薄いクッションのシートが付いているはずなのだが、何やら立派なシートが運転席に。しかも、左右にアームレストまで装備している。「これな、実はマツダMPVのシートなんよ。それも2列目。だから、両側にアームレストが付いとるんやね」とのこと。

奥に見える助手席のような補助シートは折り畳みが可能。荷物を運ぶためのシングルシーターというのが本来の姿なのだ。ちなみに、車検証上の乗車定員は「1(2)名」となっている。

「これ、ぜひ見て下さいよ」とフロアを指さす富松さん。「ゴム製の純正フロアマットなんやけど、ご丁寧に“ウォークスルーバン”って入っとるでしょ?」。確かにこれはレア装備すぎる! 商用車なのだから汎用品でも良いのに、わざわざ専用のフロアマットを用意してしまったところに、ダイハツの大きな意気込みを感じずにはいられない。

フロントウインドウの上部中央にはベンチレーターを装備。室内側のレバー操作で開閉を行ない、ルーバーも設けられる。「走行風を強制的に取り込んでくれるのは良いんやけど、虫とかもバンバン入ってきてしまうんがちょっと…。まぁ夏場は使えんね」。

ミラウォークスルーバンのリヤドアは2種類。上下開きの一般的なゲートタイプと折戸タイプが用意される。「多いのはゲートタイプで、折戸タイプは珍しいと思うんよ。これだとクルマの後ろに広いスペースがなくても荷物の積み降ろしができるんで便利やね」。連結した真ん中と右のドアが『く』の字に開閉し、開けた状態でロックを解除すると左のドアも開けられる。つまり、2アクションで全開にできるわけだ。

左リヤドアを開けると内側の下の方にステッカーを発見。ミラウォークスルーバンの生産を手掛けたアラコのものだ。「さすがコーチビルダーが手掛けたクルマだけにボディの作りがしっかりしとる。アラコ製ということをもっと前面に押し出しても良かったと思うんやけど、目立たないところに小さなステッカーを貼っとるだけというんが慎ましいやね」。

前オーナーが貼ったクラブイタリアのステッカーを残しつつ、ルーフを赤、ドアミラーのステーを緑に塗ってイタリアントリコロールを表現。ホイールは1980年代に話題を呼んだ懐かしのオートクレージュ12インチ。そこに145/70サイズのブルーアースES32が組み合わされる。

「塗装が部分的に傷んでたもんで、修復ついでに塗ってみたんよ。ホイールと合わせて見た目がオシャレになったかなと。あとはダンパーやブッシュ、タイロッド&ドライブシャフトブーツ、ハブベアリングなんかも交換。シャキッと走るようになったよ」。 ただ手に入れて乗るだけに留まらない。富松さんらしい遊び方を語ってくれた。

●取材協力:オフィストミタク

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