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戦闘力はFD3S以上か!?
NCECチューンの限界にチャレンジ
ロードスターチューニングは現行のND型が盛り上がりを見せているが、「まだまだ進化の余地があるはず」と、先代のNC型を極めるべくデモカーの熟成に没頭する“オリーブボール”。
ターゲットは地元鈴鹿でのタイムアタック。当然ながら、S2000を始めとする2.0L・NAのライバル勢と真っ向勝負するためにはパワー不足が否めない。そこで、ベースエンジンを2.3LのL3-VEへと変更して基礎体力を高めた上で、腰下にスーパーテックの88φ鍛造ピストンとイーグルの鍛造H断面コンロッドを投入。
ヘッドもコスワースのハイカムを軸に徹底的に手を入れ、5500~7300rpm辺りをキープしていれば、どこから踏み込んでも瞬時に力強い加速を得ることができるレブリミット8200rpmのユニットを作り上げた。圧縮比は12.6の設定、マネージメントはECU-TEKだ。
さらに、圧倒的なハイパワーを引き出すには、高効率な吸気システムの構築が絶対条件となる。当初は海外製4連スロットルの導入も模索したが、バルクヘッドとの干渉など、いくつかの問題があり断念。その後、様々なシステムを試しながら、最終的に辿り着いたのが大径シングルスロットル+大容量サージタンクの組み合わせだった。
サージタンクはアクセルオフで強烈な負圧がかかるため、米国リヴェリ社のドライカーボンモデルを導入。インマニはワンオフスペシャルだ。
スロットルは純正の60φから70φに変更し、さらに72φまでスロットル径を拡大。純正スロットルに対し、なんと144%の開口面積を確保する。さらに、ドライカーボンサージタンクにこのビッグスロットルを違和感なく取り付けるため、専用アダプターも製作した。
フロントの開口部拡大を実施するため、ガレージベリーのバンパーマウスを搭載。オリジナルオールアルミラジエターやHPIのオイルクーラーも導入する。おかげでハイスピードコースの鈴鹿でも、水温を90度以下に保つことができている。
排気系は、エキマニ&キャタライザーがHKS製でエンドマフラーは大幅なウエイトダウンが期待できるR1チタンを選択した。
サイドのボトムに合わせて、チャージスピードとガレージベリーのスポイラーを併用することで、フロントエアロのボリュームを調整。張り出しも十分に稼ぐことができ、フロントダウンフォースの獲得に貢献する。
タイヤのワイド化とトレッドの拡大を実施するために、ボディサイズの拡大も実施。オリジナルのフェンダーフレアを製品化し、前後フェンダーとも片側25mmのワイド化が可能になった。
フェンダーフレアの導入によるワイドボディ化に伴い、前後ともタイヤを265/35R18にサイズアップ。タイヤ銘柄はアドバンA050で、ホイールにはボルクレーシングZE40(FR18×9.5+30)を組み合わせる。
足回りは、アルミシェルケースを採用したオリジナルのドッグトゥースサスペンションキット(F14kg/mm R9kg/mm)を軸に、路面からの突き上げ感を無くす方向でセッティング。
リヤのアッパー&ロアアームなどはピロ化してストレスを無くし、フロントには偏心カムを入れてネガティブキャンバーを確保。高速コースで強くなる傾向というプッシングアンダーの解消に務めている。
オリジナルのブレーキキットは、制動屋製4ポットキャリパーとRX-8サイズの320mmローターで構成。さらに高負荷に耐えられるようにと、RX-8純正ハブベアリングもセットにしている。
一見するとカーボンドアや前後オーバーフェンダーがハードな印象を与えるが、じつはエアコン付きの快速スペック。メカチューンの楽しさを追及したその仕上がりに、憧れを抱くオーナーも少なくないはずだ。
●取材協力:オリーブボール 三重県亀山市長明寺町726-7 TEL:0595-83-2167
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オリーブボール
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