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ドイツの名車にシングルターボ仕様のRB26DETTを搭載!
GT-Rのデフを流用してファイナルギヤも最適化
現在もなお、メルセデスファンを魅了してやまないモデルが1986年に登場したEクラスの始祖とも言える「W124シリーズ」だ。メルセデスの企業哲学である「最善か無か」という言葉を尊守した最後のモデルと呼ばれ、1995年の生産終了まで(ワゴンは1996年まで)に、日本市場だけで6万台以上をデリバリーしたミディアムセダンである。
そんな歴史的な名車(300CE)に、チューンドRB26DETTを搭載してしまった問題作がこちら。
生粋のチューニング好きだったオーナーが、そろそろ落ち着こう…とW124を購入。しかし、すぐに悪い虫が騒いでチューニングを開始。当初は、ドイツ産のメルセデス専用パーツを使ったパフォーマンスアップを検討していたのだが、コストに対して得られるパワーが非常に低い。ならばと、国産最強ユニットであるRB26DETTの換装という魔改造に踏み切ったそうな。
RB26エンジン搭載にあたってはサスメンバーやマウントに大手術が必要となったものの、試行錯誤を繰り返して搭載位置のフロントミッド化に成功。そこにT78-29Dシングルターボをセットして、パワフルな500psを作り上げた。
問題となったのはギヤ比だ。W124は高速ツアラーよりのハイギヤード設定で、RB26DETTのパワー特性とはまるでマッチしなかったのだ。そこで、BNR34のR200デフをゴッソリ移植してギヤ比の最適化を実行。ミッションにはRB25DET用の5速を組み合わせているが、走行フィーリングは最高とのこと。
エクステリアは、グリルから覗くインタークーラーとリヤのGTウイングが只者ではない雰囲気を醸す。ボディカラーはマーチ純正のオパールラベンダーだ。
また、太いホイールを履くために前後のフェンダーをワイド化しているのもポイントだ。フロントはノーマルのラインを尊重したブリスター形状、リヤはフェアレディZ用のカーボンオーバーフェンダーを装着している。ワーク製のホイールはGT-Rサイズで、フロントはPCDチェンジャーを使い、リヤは日産のハブを移植して対応している。
一方のコクピットも、国産チューニング畑で育ったオーナーらしいメイキングだ。メインメーターはカーボンパネルにデフィやブリッツの追加メーターを配したオリジナル仕様で、その他のインテリアはレカロのセミバケも含めてブラックとブルーでコーディネイト。シックなムードを保ちながらチューニング感も漂わせている。
価値が高いドイツの名作と言えども、臆することなく国産チューニングでキッチリと仕上げたオーナーの改造魂には心から感服だ。