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足回りとブレーキの強化は絶対条件!
ハードなサーキット走行にも対応可能な懐の深さを実現
「カッコ良く、気持ち良く、快適に走れる」をモットーに、アルトワークスからNSX/GT-Rに至るまで幅広く国産スポーツカーを手掛ける“オートガレージM”。今回は、そんな名門チューナーが新たに導入したRZ34をチェックしていこう。
これまでのデモカー同様に、RZ34もユーザーの幅広いニーズに応えるための環境と知識を備えるために岡山国際サーキットでテストを敢行。ネガ部分を洗い出しながら、究極の“お手本チューンド”として煮詰めていくそうだ。
「エンジンはやる気にさせてくれるパワー感があり、ポテンシャルの高さを感じました。逆に不安だったのがブレーキ。標準グレードのキャリパーではわずか3周で完全にフェード。パッド交換(エンドレス製)も試しましたけど駄目。ダンパーもサーキットでは物足りないですね」と三浦代表。
そこで、ブレーキはエンドレスの最高峰となるモノブロックキャリパーとカービングスリット入り2ピースディスクに変更して一気にキャパシティアップ。ディスク径はフロントが370mm、リヤが355mm。キャリパーはフロントが6ポット、リヤが4ポットとなる。
なお、先代モデル(Z34型)で見られたABSの誤作動によるブレーキロックの傾向は現段階では皆無。ただし、限界領域ではどうなるかは分からないので、今後も注視していくとのことだった。
一方の足回りは、エリアスポーツ製ベースのオリジナル車高調を軸にセットアップ開始。シェルケースは十分な容量を確保するために、52φと太めの設計になっているのが特徴だ。スプリングは前後ともハイパコ(ID65)で、レートはフロントが19.6㎏/mm、リヤが17.8㎏/mm。
アライメントの調整範囲を広げるためにフロントのアッパーアームはオリジナルの調整式に変更し、柔らかい純正ブッシュ類も全てピロボール化。Z33時代からの弱点であるロアアームは、サーキットを走るなら必ず交換しておきたいポイントとのこと。
排気系はアペックスの製品で統一。マフラー(RSエボリューションエクストリーム)とセンターパイプはすでに発売されているが、キャタライザー付きのフロントパイプは試作品となっている。
リヤデフの右に見えるのはデフを固定するマウントブラケット。重要な機械式LSDは、オリジナルセッティングを施したクスコのRS(1.5WAY)をチョイスした。
エンジン本体には手を加えておらず、ECU-TEKでECUデータを書き換えたのみ。ノーマルは急激にトルクが立ち上がるが、タービン容量が小さいので中速域の落ち込みが大きい。現状は低中速域のトルクを底上げし、中速域以降のダウンを極力抑える方向でセット。最高出力は492.8ps&67.9kgm(TCファクター1.1)だが「まだ煮詰める余地はあります」と三浦さん。
インテリアはサーキット走行を想定し、シートをレカロのRS-Gに交換してグレッディのシフトノブを装着した程度。Zの性格を考えて、あまり派手に手を入れることは考えていないそうだ。
エアロパーツは未装着だが、フロントリップとリヤウイングの追加を検討中。ホイールはアドバンレーシングのRZ-DF2(F19×10.5J+24 R19×10.5J+15)。組み合わせるタイヤはアドバンA052(FR275/35R19 )だ。
「セーフモードに入ることも少なく、チューニングベースとしては非常にやりやすい。素性も良く、ブレーキと足回りがある程度仕上がれば、必然的にタイムが出ると思っています。現状でも条件が良ければ、岡山国際で1分40秒台は狙えるはずですよ」と三浦さん。
チューニングは始まったばかりだが、伸び代が期待できるRZ34。多くの車種で好タイムを記録してきたオートガレージMのアプローチは、今後も目が離せそうもない。
●取材協力:オートガレージM 香川県高松市上天神町751-7 TEL:087-816-8777
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