目次
GR86純正ダンパー流用が効く!
ZN8純正ダンパー+テイン製スプリングが最適解!?
「純正ダンパーがかなり良いって聞いたから、ぜひ試してみたかったのよ」と“テクノプロ・スピリッツ”代表の熊倉さん。ZN8純正ダンパーをZN6に装着する純正流用チューンの話だ。
ボディ剛性の向上やハンドリング特性などの味付けに合わせて、ZN6とはスプリングレートもダンパー減衰力も見直されたZN8の足回り。メーカーが莫大なコストと時間を掛けて開発したパーツだけに、乗り心地まで含めた走りに関する性能が全方位で高度にバランスされていることは間違いない。
事実、レーシングドライバー佐々木雅弘が展開するオリジナルブランド、“グローデザイン”とHALスプリングが共同開発した純正ダンパー専用スポーツサスキット(スプリング)を組んだライトチューン&ストリート仕様の同社デモカーZN8は筑波で1分3秒7を記録。純正ダンパーにスポーツスプリングの組み合わせでもタイムを出せることを証明済みだ。
熊倉さんが言う。「そうなると、果たして車高調を入れる必要があるのか?って思っちゃうよね。街乗りに関しては純正ダンパーの方が何かと使い勝手は良いわけだし。それに車高調を組んでても車高をイジらないもんだから、ロワシートが固着してるケースがどれほど多いことか。こうなると車高調の意味がないじゃん…てね。だったら、純正ダンパーで攻めてみるのもアリでしょ」とのこと。
組み合わせるスプリングは、これまた熊倉さんが試してみたかったことと購入しやすい実勢価格からテインハイテクのZN8用を選択。装着後、軽く馴染ませて計測したところ、車高はノーマル比フロント15mm、リヤ20mmダウンとなった。ちなみに、純正ダンパーはともにショウワ製。スプリングレートはZN6純正を基準に考えると、ZN8純正が約17%、ZN8用テインハイテクは約48%アップとなる。
ZN8に車高調を組めば純正ダンパー(とスプリング)が余るわけで、それを有効活用するのが今回の流用チューン。コスト的にも、新車から外したZN8用純正ダンパーが2~3万円、テインハイテクは2万5000円で手に入るため、新品の車高調を購入するより安く上がるのも大きなポイントと言える。
足回り交換前と交換後で、それぞれテクノプロ・スピリッツ近所の同じルートで試乗した。ZN8純正ダンパー+テインハイテクは、走り出した直後から違いを体感。まず、路面の継ぎ目やマンホールを超えた時の突き上げ感やコツコツ感が明らかにマイルドになっている。
ステアリング操作した時の印象も同様で、初期のノーズの入り方が『クイッ』から『スーッ』に変わった。思うに、ZN6後期型のノーマルはダンピングが強めに効いていて、意図的にクイックな動き=スポーティ感を演出してるイメージ。それに対して、ZN8純正ダンパー+テインハイテクは全体的に角が取れたと言えば伝わるだろうか。
あらゆるシチュエーションで、こちらの仕様の方が「懐が深い」と思う…などという話をした後、熊倉さんも試乗したのだが、思っていた以上に印象が良かった様子で意見も一致。走りの質が格段に向上してコスパも高いのだから、この組み合わせは断然ありだ。
●取材協力:テクノプロ・スピリッツ 埼玉県川越市小中居945-1 TEL:049-235-4886
【関連リンク】
テクノプロ・スピリッツ
http://www.tp-spirit.co.jp/