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ハイエンドパーツで構築された贅沢仕様
GT-Rらしさを徹底追及した600馬力のストリート仕様!
スポーティスタイルを極めたベイサイドブルーのボディに、フルバケ2名乗車で室内を覆い尽くすロールケージ。
細部まで入念に作り込まれたエンジンルームと合わせて、スポーツ走行にウエイトを置いた1台と感じさせられるBCNR33だが、実際には長く乗り続けるための弱点克服と快適性をバランスさせてポテンシャルを高めた、生粋のストリートチューンドだったりする。
最近のストリート仕様はノーマル+αのシンプル仕立てが主流だが、オーナーが“フェニックスパワー”に出したオーダーは「GT-Rらしいレーシーさを楽しみつつ、ストリートで痛快な仕様に仕上げたい」というもの。
そこで、以前からHKS2.8L仕様だったというRB26エンジンは、20万kmを迎えるにあたってリフレッシュを敢行。新品ブロックを使用した上で、クランクのバランス取りや曲がり修正も加えてオーバーホール。そこにHKSのVカム(可変バルタイシステム)を組み合わせて、低中速トルクの底上げを狙っている。
タービンは長くGT2530ツインを使っていたが、Vカムの導入に合わせてT78-33Dシングルへと変更。これはトップエンドの伸びを重視したチョイスであり、ウォーターラインが不要になる事で水回りトラブルを少しでも抑制する狙いもある。
エンジンマネージメントは、レスポンスアップとコストパフォーマンスを考慮し、R35純正エアフロ&パワーFCでセットアップ。綿密な制御によって、最大ブースト1.7キロ時に636ps&72kgmを実測で発揮している。
ミッションは、パワー&トルクバンドを有効活用できるBNR34純正6速MTを換装。内部もオーバーホールのタイミングでWPC処理を施した上で6速ギヤをJZA80用へと組み替え、5〜6速をクロス化しているのもポイントだ。
ベイサイドブルーのボディはオールペンによるもので、オーバーホール時に手つかずだったエンジンルーム内もペイント。同時に、応力が集中するストラットタワー周辺をパネルボンドで補強するなど、無駄のないステップで不安要素を潰している。
純正とは比較にならないほど高められたポテンシャルを受け止める足回りは、フェニックスパワーが推奨するアラゴスタのタイプS車高調(FR8kg/mm)を軸に構築。足を動かすセットアップで、路面追従性の高さが自慢の逸品だ。
ホイールはBBSのRI-A(18×10.5J+18)で、タイヤにはアドバンネオバAD08R(265/35-18)をセット。さらに、ブレーキにはエンドレスのモノブロックキャリパー(F6ポット R4ポット)を奢るなど、厳選したハイエンドパーツを投入しているのだ。
セーフティ21のサイドバー付き7点式ロールケージが張り巡らされた室内。乗員保護やボディ剛性アップという目的はもちろんのこと、走り屋っぽい雰囲気を大事にしたいというオーナーの意向で装着されたアイテムだ。シートはレッドのレカロSP-Gを奢る。
フロアマットはロールケージをかわす形状のスペシャルモデルを特注オーダー。リヤシートは撤去されているが、もちろん2名乗車でのフル公認を取得済みだ。
スポーツ走行もストレスフリーで行えるよう、トランクには燃料の偏りを防ぐコレクタータンクを設置。
経年劣化にも配慮しつつ、走りの死角を細やかに対処して、ユーザーが理想とするチューンドへ導く。ノーマル+α先行のストリート仕様という枠にはまらない、まさにリアルチューンドの原点とも呼べるアプローチだ。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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