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低中速トルク型の特性をタービン交換で改善!
燃料/点火/制御系も一新! 常に安定した性能を引き出す
2.0L直4SOHCのG63B型エンジンを搭載してNAとターボの2本立てで1982年に発売されたスタリオン。1988年のマイナーチェンジでブリスターフェンダー採用によるワイドボディ化が図られ、エンジンも2.6L直4SOHCターボのG54B型を搭載した2600GSR-VR、A187Aが登場した。グループAにも参戦し、GT-Rと同じクラスで戦ったことを記憶してる人も多いはずだ。
岐阜県のチューニングショップ“グローバル”が手がけたのは、その2600GSR-VRがベース。「古いカルマン式エアフロのトラブルを回避しながら、オーナーズクラブ内で最速を目指したい」というオーナーのリクエストに応えて製作された。
注目はエンジンチューン。ノーマルで175ps/5000rpm、32.0kgm/3000rpmという思い切り低中速重視のエンジン特性を改善するため、ワンオフステンEXマニを介してGT2835タービンに交換。最大ブースト圧1.3キロ時に350psを稼ぎながら、レブリミットをノーマルの6000rpmから6500rpmに引き上げて、高回転域でのパワーと伸びを実現している。
グローバル永井代表いわく「エンジン本体はノーマルでヘッドガスケットもメタルやないけど、もともと圧縮比が低いからブースト圧を1.5キロくらいかけても大丈夫。ただ、排気量があるからGT2835でもまだまだ下振り。なもんで、さらに上を狙うため“GT3037に交換しようか?”なんて話もは出とるんよ」とのこと。
スロットルはSR20DE(S15)用60φを流用。「ノーマルのスロットルはバタフライバルブ径が50φ弱しかない。吸気系チューンでスロットルボディ交換は必須やね」と永井代表。
また、今のレベルに比べると、かなりアバウトな制御しかできないシングルインジェクションやポイント式デスビなど、なんとも古くさいノーマルの燃料&点火系を一新しているのもポイント。
まず、インジェクターはデリバリーパイプをワンオフ製作した上で530cc×4本のシーケンシャル噴射方式に改められている。一方、デスビはPS13用をベースにシャフト加工を施し、点火順序を逆転させて装着。点火信号を拾えるようになっている。
それらを制御するのはHKSのF-CON Vプロで、当然エアフロレス化も図られる。これでエアフロを原因とするトラブルを回避しながら、ノーマルとは比べものにならないほど緻密なエンジン制御を可能にしているわけだ。
排気系はEXマニからエンドマフラーまでワンオフ製作。マフラーは76.3φのメインパイプが途中で60φ×2に分岐して、そのままテールエンドまで延ばされている。排気効率の向上は言うまでもなく、砲弾型サイレンサーを採用した片側デュアル出しがリヤビューに迫力もプラス。
足回りにはエナペタル車高調をセット。ブレーキはキャリパー、ローターともにノーマルでパッドのみ交換されている。
ホイールはフロント8.0J、リヤ9.0JのSSRメッシュ17インチ。メッキリムにブラックのディッシュが渋い。タイヤにはディレッツァDZ101の225/45、265/40を組み合わせている。
直線基調のデザインをはじめ、メータークラスター両端にもうけられた各種スイッチ類やタッチパネル式オートエアコンなどが80年代を感じさせるダッシュボード周り。センタコンソール下にはトラストの追加メーターを設置する。
スピードメーターは輸出用260km/hフルスケールに交換され、ノーマルと同じ位置にCMRブースト計がセットされる。
ボディは一度ブラックに全塗装されたが、小キズが目立つということでパールホワイトにオールペン。わずかに後方に延長して形状が変えられたワンオフリヤスポイラー以外、外装は基本的にノーマルのままだ。
これらのチューニングにより、パワーやトルクの大幅アップはもちろん、日常域での扱いやすさも向上。今時のチューニング技術を取り入れることで、年式の古さによる不安を抱えることなく、いつでもどこでも楽しめる1台に仕上げられているのだ。
●取材協力:グローバル 岐阜県岐阜市八代2-22-7 TEL:058-297-3766
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