「子供の頃に大好きだった家族グルマにもう一度」世代を超えて愛される117クーペ伝説!

4スロの快音を轟かせるSR20DE仕様スペシャリティクーペ

現代の道路事情に適した最新チューン!

いすゞの117クーペは、当時の国産車の中では群を抜く洗練れたスタイリングを持つスペシャリティクーペだ。その日本車離れしたプロポーションは、鬼才ジウジアーロによりデザインされたもので、1966年にジュネーブ・モーターショーで発表され、コンクール・ド・エレガンスを受賞したほどだ。

1968年〜1982年と、長期に渡って生産し続けられたこともこのクルマの特徴と言える。幾度となくマイナーチェンジを繰り返したが、大きくは初期モデル(通称:ハンドメイド・1968〜1972年)、中期モデル(通称:量産丸目・1973〜1977年)、最終モデル(通称:角目・1978〜1982年)の3世代に大別される。

今回紹介するのは、中期モデルの量産丸目タイプでベース車はシングルカム+SUツインキャブのXCJ。ボディは腐蝕部を作り直し、 ウインドウ類まで外してオールペンされるなど、シャシーからしっかりフルレストアを敢行。そして、エンジンやサスペンションに関しては現代の交通事情に合わせて完全にリメイクされた。

ちなみに、オーナーがこの車種を選んだ理由は『子供の頃の思い出』からだ。幼少期、家族のマイカーとして父親が乗っていた117クーペが大好きで、自分が大きくなったら乗りたいとずっと胸に秘めていたそう。

マシンメイクにあたって、まず選ばれたのはシルビア用の可変バルタイ付きSR20DE。エンジン本体は吸排気+ハイカムに加えて軽量フライホイールを投入するなど、レスポンス指向のチューニングがトータルで加えられている。また、シンクロ機能の向上など旧車のフィーリングを大きく左右するミッションもS14用の5速にチェンジしている。

エンジンチューンのポイントは、ワンオフで装着されたTWM社の4連スロットル(45φ)。このスロットルは他社製に比べて精度が高く綿密な制御を正確に行えるという。下部には各シリンダーのバキューム圧を集めたコレクタータンクが設けられ、アイドルコントロールバルブなども設置済みだ。

何かとトラブルが起こりやすい点火系は、SR20用のシステムに置き換えて信頼性を確保。EXマニはフジツボのシルビア用を加工装着している。重要なマネージメントはフルコンの代名詞モーテックm4が担う。

出力向上にともなって足回りもアップデート。フロントブレーキは日産のR32系4ポッドキャリパーなどを移植、スタビもブッシュまで含めて強化されている。ホイールはクロモドラだ。

機関系以外にも拘りを見せる。つり下げ式の懐かしいエアコン(クーラー)は、純正品とシルビア用コンプレッサーのパーツを組み合わせたスペシャル品だ。この作業によって、見た目はオリジナルのままノンフロン冷媒(R134ガス)に適合させることに成功している。

室内はオリジナルを保ちつつ、インダッシュナビや5.1chシステムを軸にしたカスタムオーディオを組み込んで、渋滞時も快適に過ごせる空間作りがなされている。

リヤシート後方に仕込まれたボディ補強バーはAE86用。ほぼピッタリの寸法で容易に流用できたそうだ。

外装は当時の雰囲気を残しつつモデフィファイ。ヘッドライトはHID化され、フロントリップにはロータスヨーロッパ用を加工流用している。

こうして誕生したトラブルフリーの117クーペ。見た目も走りもコンセプトも、ネオ旧車チューンドとしては完成形のひとつと言えるだろう。

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