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最高速の高負荷状態でも手応えは十分!
早くも純正タービンが持つキャパシティの限界に到達!?
GR86/BRZのスーパーチャージャー仕様で日本最速の記録を保持する“オートガレージM”が、平行して開発に取り組んでいるのがRZ34。純然たるストリート仕様で、ホームコースは岡山国際サーキットとのことだ。
「サーキットでも最高速でも、まずパワーアップは必須の条件だと思います。その点では、ECU-TEK制御でブーストを1.4キロまで上げて490psを出力させているので、第一段階としては十分ですね。その他は、排気系をアペックス製マフラー、AGC製フロントパイプに変更している程度で、エンジン本体はノーマルのままです」と語るのはオートガレージMの三浦代表。
スペックとしてはユーザー目線のファーストステップ仕様となるが、今回はこのチューンドの実力を探るために高速周回路での最高速アタックを敢行した。
足回りは、エリアスポーツ製ベースのオリジナル車高調を軸にセットアップ。シェルケースは十分な容量を確保するために、52φと太めの設計になっているのが特徴だ。スプリングは前後ともハイパコ(ID65)で、レートはフロントが19.6㎏/mm、リヤが17.8㎏/mm。
サーキットアタック3周で音を上げてしまったプアな純正ブレーキはキャンセルし、エンドレスの最高峰となるモノブロックキャリパーとカービングスリット入り2ピースディスクを投入。ディスク径はフロントが370mm、リヤが355mm。キャリパーはフロントが6ポット、リヤが4ポットとなる。
ホイールはアドバンレーシングのRZ-DF2(F19×10.5J+24 R19×10.5J+15)。組み合わせるタイヤはアドバンA052(FR275/35R19 )だ。
アライメントの調整範囲を広げるためにフロントのアッパーアームはオリジナルの調整式に変更し、柔らかい純正ブッシュ類も全てピロボール化。Z33時代からの弱点であるロアアームは、サーキットを走るなら必ず交換しておきたいポイントとのこと。
インテリアはサーキット走行を想定し、シートをレカロのRS-Gに交換してグレッディのシフトノブを装着した程度。Zの性格を考えて、あまり派手に手を入れることは考えていないそうだ。
豊富な経験を踏まえて、今回の目標値は290km/hに設定していたオートガレージMだったが、結果は286.3km/h。何らかの車両制御が介入して記録が伸びなかったのだ。
その原因として考えられるのは、純正タービンがキャパシティオーバー(過回転)。これにより、エンジン保護のためのフェイルセーフが働いたというのが三浦代表の読みだ。
今回の結果を受け、三浦代表は「このトラブルはちょっと想定外でしたね。これまでのテストではこんな状況はなかったので、今回バンクに持ち込んでテストした甲斐がありましたよ。この結果を踏まえて、RZ34をどこまでどうやってチューニングしていくか、そして最高速を目指した場合にどんな対策を行えば良いかを検討していきます」と今後の展望を語ってくれた。
しかし、初の超高速走行で明るい要素も確認できた。とくに足回りとECUセッティングの完成度はかなり高く、アタックを担当した稲田大二郎も「加速感は凄いし安定感もある。あの制御が入らなければ、まだまだ伸びた!」と太鼓判を押していたほど。
盛り上がりを見せるRZ34による最高速アタック。その渦中にいるオートガレージMの動向には、今後も注目していきたい。
●取材協力:オートガレージM 香川県高松市上天神町751-7 TEL:087-816-8777
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