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クラッシュからの乗り替えで選んだのはZN6最強コンプリート
エンジンはトップフューエルが手掛けた350馬力仕様!
全国から多数のカスタムマシンが集結した“86&BRZアベンジャーズ”の会場の中でも、一際、いぶし銀のオーラを放っていたのがこのZN6型86。
その正体は、TRD14R-60という100台限定のコンプリートモデル。車名は2014年にリリースされたTRD創業60周年モデルをを意味するもので、TRDが総力を結集して作り上げたZN6ベースのサーキットランナーなのだ。
早速オーナーの梅原さんに話を聞いてみると、このTRD14R-60は2台目となるZN6で、約1ヶ月前に完成したばかりだという。
「最初の86をサーキットで潰してしまったので、次は一番良いやつにしようと選んだのがコレでした。岐阜の専門店から中古で購入しましたが、その内容を考えれば、手頃な中古車をイジるよりもむしろ安上がりというのが決め手でした」とのことだ。
TRD14R-60は「究極の86」を目指したTRDのGriffonプロジェクトに基づくもので変更点は多岐に渡るが、やはりまず注目すべきは空力を徹底的に追求した専用エクステリアだろう。
フロントバンパーは大型のエアインテークとカナードを装備。フロントワイドフェンダーにはカーボン製のエアロフィンも装着されている。リヤバンパーはディフューザー付きのセンター出しマフラータイプ。カーボンルーフは軽量化効果も抜群。トランクにはスポイラーと大型のスワンネックタイプウイングがダブル装着となっている。
そんなスペシャルマシンに、さらなるチューンを施してしまったのが梅原さんの凄いところ。
半年前に購入してから2〜3ヶ月はノーマルで乗ってみたものの、やはりNAエンジンではサーキットでパワーが足りない。そこで、HKSの2.1Lキャパシティアップグレードキットで排気量を底上げし、GTIII-RSタービンも追加。最大ブースト設定0.8キロで、最高出力350ps、最大トルク40kgmを獲得している。これらの作業は最初のZN6の時から通い続けている、三重県の“トップフューエル”に依頼したものだ。
また、ターボ化に伴って変更されたのが冷却系のレイアウト。インタークーラーの装着でオイルクーラーをバンパー右側に移設することになったが、コアに走行風を導くために純正ウインカーを廃止してバイク用の小型ウインカーに変更している。「冷却性とフロントのスタイルもアップして、かなり気に入っています」とのこと。
足回りも、TRD14R-60ではピロボールブッシュタイプの高剛性アーム類が標準装備となっており、現状は車高調も含めて変更はない。ホイール&タイヤはグラムライツ57エクストリーム(9.5J+38)にアドバンA052(F265/40−18 R295/35−18)のコンビネーションだ。
インテリアにも専用装備が満載で、オレンジをアクセントとしたステアリングやシフトブーツ類に加え、センターコンソールにはシリアルプレートも加えられている。オリジナルの雰囲気は残しながら、油温計とブースト計を追加。
シートは標準では左右ともフルバケだが、助手席をリクライニングに変更したかったので運転席を含めTRDの通常モデルに変更してデザインの統一を図っている。
TRD14R-60はリヤシートレスの2シーター仕様。カーボン製のパネルはルームパーティションパネルと呼ばれる剛性アップパーツだ。
TRDコンプリートマシンにターボパワーを追加して、もはや無敵と思える梅原さんの愛機。しかし、まだまだパフォーマンスの追求は続くようで、今後は排気系の見直しを検討しているとのこと。さらなる進化に期待大だ。(取材イベント:86&BRZアベンジャーズ2023)