目次
祖国の道路事情では実現不可能なシャコタンスタイルを追求!
まるでエアサスのローダウンは326パワーの60kgバネがキモ
鬼キャン仕様のシャコタンスタイルのルーツは、ポルシェチューナーとして知られる“ラウヴェルト”の中井啓代表が80年代後半に乗っていたAE86と言われている。参加したドリフトコンテストでそのインパクトが話題となり、一気にドリ車カスタムとして拡大。その後、ジャパニーズスタイルとして海を渡っていったわけだ。
2023年11月に開催された『86&BRZアベンジャーズ』でも多くのシャコタン仕様が見られたが、その中でも一際目立っていたのが、このブラックのZC6型BRZ。
オーナーは仕事で日本にやってきたタイ人のスサワットさん。2014年式のSグレードを5年前に中古で購入し、コツコツと現在のスタイルに仕上げていったという。「道路事情もあってタイではシャコタンは無理なので、せっかく日本に来たからにはどうしてもやってみたかったんです」と語ってくれた。
早速、各部をチェックさせてもらったが、やはり何と言っても注目なのは、地を這うようなシャコタンだ。一般的にはエアサスが必要となるような低さだが、これは326パワーの車高調によるもので、装着のスプリングレートは驚異のフロント60kg、リヤ36kg。前後マイナス16度の鬼キャンバーは、サスペンションアーム類をZSS製の調整式にフル変更したことで実現したものだ。
そこに組み合わせている、ディープリムのボクルクレーシングTE37Vもスサワットさんの拘りのひとつ。装着サイズは前後とも10Jマイナス25で、タイヤは215/35R18サイズを引っ張り装着することでフェンダーとの干渉をうまく避けているのだ。
個性的なエアロチョイスもポイントで、シャコタンスタイルに負けないボトムエリアのボリューム感を326パワーの前後アンダースポイラーとサイドステップで獲得。フロントの後期型バンパーは、購入時にはすでに変更されていたという。チタンテールのマフラーは、ネットで調達したメーカー不明品とのことだ。
ダックテールタイプのトランクスポイラーも前オーナーが装着したもので、購入後に追加したのは轟自動車のルーフスポイラー。トムスのクリアテールと合わせて、個性的なリヤスタイルを構成している。
そして度肝を抜かれたのがエンジンルームで、各種カバー類にタイの国旗をイメージした鮮やかなカラーリングが施されていた。パワー系は今のところマフラー変更のみとなる。
インテリアの変更点は、ブリッド製ジータIIIとステアリング&シフトノブ程度で、今後の進化が楽しみなところだ。
「通勤には軽自動車を使ってますので、この86はイベント参加専用と割り切ってカスタマイズしてます。使える予算も限られているのですが、次はロケットバニーのキットでワイドボディにしたいと思っています」とスサワットさん。
ぜひともこの鬼キャンBRZと共に、今後もジャパニーズカスタムを満喫してもらいたい。