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アメリカ中のロータリー使いが集結する超大型イベント
アメリカで開催されるマツダ車&ロータリー車のイベントとして最大級の規模を誇る「SEVENSTOCK(セブンストック)」。通算25回目を数えた2023年のイベントは、これまで会場としていたフォンタナのオートクラブ・スピードウェイに代わり、アーウィンデール・スピードウェイで開催。歴代のマツダ車はもちろん、他メーカーのモデルにロータリーを載せた個性派も会場を埋め尽くした。今回は特に注目を集めたマシンたちをピックアップ形式でお届けしよう。
往年のフォーミュラ・マツダを発見!
こちらはかつてマツダが北米で主催したワンメイクレース、フォーミュラ・マツダの初期型のフォーミュラマシン。日本のハヤシレーシングが開発したFJ411Jというスチール鋼管シャシーに、180psの13B型ロータリーエンジンと5速Hパターンのトランスアクスルを搭載。ウェーバーのツインキャブレターが装着されているが、レギュレーションで一切の改造は禁止されていた。
マツダR100の本格ドラッグマシン
アメリカではマツダR100(アールワンハンドレッド)の車名で販売されたファミリアロータリークーペ。こちらはリヤのワイドフェンダーにナローアクスルと極太スリックタイヤを収める、超本格派のドラッグスペシャルだ。
エンジンルームには室内のロールケージと剛結されたチューブフレームが備わり、サスペンションを支持。2ローターターボエンジンには水冷式インタークーラーが備わっている。
空気抵抗を減らすために極限まで細くされたフロントホイールは、カーボンリムで軽量化も実現。サイド出しのエキゾーストも迫力満点だ。
ジェリコの4速シーケンシフターが備わるスパルタンなコクピット。インパネやドアトリムはカーボン化され、ウインドウ類も全てアクリルに置き換えられている。
独自のアップグレードタービンをアピール
タービンのリビルトやアップグレードを専門とするプレミア・ターボ・テクノロジーのブースには、美麗なエンジンルームを実現したFC3Sが出展された。高効率なビレットのコンプレッサーホイールを備えるギャレットのタービンが主役だが、MSDのダイレクトイグニッションや燃料系の配管など、その他の作業も丁寧に行われている。
キャンディカラーがいかにもなR100
アメリカにおけるマツダ車の愛好家は、中南米をルーツに持つヒスパニック系も多く、こうしたローライダーを思わせるカスタマイズも定番だ。
キャンディグリーンにペイントされたR100のストックフェンダーに、16インチへとリバレルされた往年のEpsilonメッシュホイールを収め、タイヤの大径感を強調。エンジンは13B型2ローターNAで、ウェーバーのツインキャブ仕様だ。
カローラバンもロータリースワップのベースに!
2世代目のカローラに設定されたTE28型カローラバンにRX-8の13B-MSP型ロータリーエンジンを搭載!ボディは錆だらけなのに、エンジンだけは異様に綺麗というギャップも面白い。よくよく見るとワイヤータック化されていたり、車高調でローダウンしてあったりと、やることはやっている印象。このまま普段乗りしているのか、ショーカーとして仕上げていく途中なのか気になるところだ。
コンパクトなロータリーだからこその多様性
アメリカではダットサン・スポーツという車名で販売されていたSPL310/SRL311型ダットサン・フェアレディ。エンジンルームは幅が狭くて縦に長いが、コンパクトなロータリーエンジンならそれでも持て余してしまうほど。カリフォルニア州の希望ナンバー(オーナーが好みの数字やアルファベットを指定できる黒地に黄色文字のナンバー)は、13B型で排気量が1300になっていることを示す「DAT1300」になっている。
Part.2へ続く
PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI