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東京オートサロン2001で話題を独占したFD3Sの登場だ。RE雨宮とクロムハーツがタッグを組んで作り上げた奇跡のコラボレーションチューンド、”本気な遊び”スタイルはロータリーファンならずとも思わず唸る出来栄えだ。今回はそのマシンメイキングを徹底チェック! (OPTION誌2001年5月号より抜粋)
チューニング界とアクセ界の大御所が強烈コラボレート!
シフトノブだけで30万円以上!?
思うに、ここまで贅沢な仕様のFD3Sなど、世界中を探してもこの1台くらいではなかろうか。RE雨宮の技術でパフォーマンス面を磨き上げ、内装はシルバーアクセの名門「クロムハーツ」の創業者“スターク氏”と親交深いオーナーだからこそ実現したスペシャルメイド仕様。細部を見ていこう。
13B-REWエンジン本体はポートの段付き修正程度に留め、タービンにはIHIのRX6Bシングルをセット。インタークーラーにはトラストの3層を奢る。吸気は、スリークエアダクトからフレッシュエアを取り込み、レスポンスクリーナーへとダイレクトに導くレイアウトだ。オリジナルキャッチタンク、アルミ3層ラジエターなども装着されている。
足回りは、RE雨宮が絶対の自信を持つクァンタムベースの別タンク式オリジナル車高調を装備。アーム類はサスペンションに入力される負荷に対して、リニアに足を動かすことを目的にフルピロ化している。
ブレーキはキャリパーがアルコンで、ローターにはRE雨宮製の2ピーススリットをセット。パッドはプロジェクトμだ。
そしてインテリア。RE雨宮オリジナルの7点式ロールケージが組み込まれスパルタンな印象を受けるが、クロムハーツファンには垂涎モノの世界がそこには広がっている。
シートはレカロのセミバケをアメリカのクロムハーツ本社に持ち込み、ロールスロイスの内装に用いられるものと同クラスの最高級レザーで張り替えられたものだ。オーナーに恐る恐る値段を尋ねたところ「クロムハーツのレザージャケットが40万円くらいなので…そこから想像してください」と答えを濁す。
ちなみにヘッドレストに刻まれたデンジャラスな英語は、世の中に出回っている偽物に対するアンチテーゼとのこと。また、シートだけでなくトランクマットもクロムハーツクロスをあしらっている。
RE雨宮のクイッカーノブから型を取ったスターリングシルバーのシフトノブ。トップにはクロムハーツプラスが。下部にはもちろん刻印が打たれている。もし販売されることがあったなら、30万円はくだらないという…。
ステアリングはRE雨宮のDシェイプで、グリップ部はレザーで張り替え済みだ。メーターもRE雨宮オリジナルの300km/hスケールに変更される。全てブラックで統一された室内にはレザーの香りが漂う。
一方のエクステリアはRE雨宮のGT-ADキットを軸に構築。フロントはFACER N-1バンパー、カナードPRO、アンダースウィープと空力優先の装備。カーボンパーツは全てケブラー製となる。なお、ホイールはRE雨宮オリジナルのAW-7を奢る。
リヤには純正バンパーにディフューザーPROを合わせ、テールランプはフィニッシャーカバーにバイク用テールレンズとロードスターのサイドマーカーをビルトインしている。マフラーはRE雨宮のドルフィンテールだ。
ハイマウントのGTウイングはドライカーボン製のスペシャル。フロント周りの空力パーツまで含め、いずれもGT選手権でのノウハウが生かされた形状だ。整流効果は抜群で高速走行時の安定感が段違いだという。
ミラーはフェンダーに装着するタイプのADミラーPROを装備。ボディカラーはホワイトだが、ボンネットからドアパネルにかけての部分をパールホワイトのフレアパターンでアレンジ。光の加減によってフレアが浮かび上がる独特の仕上げだ。
「これは綺麗で品があるよね。ちょうど10年くらい前さ、湾岸にも綺麗なクルマがたくさんいて、その頃の雰囲気に近いかな。走りに関してはストリート中心。サーキットもいけるけど、やっぱりストリートが似合うでしょ!」とは、RE雨宮の雨さん。
正直、走るのが勿体無いくらいのレベルだが、オーナーは動態保存することなくこのクロムハーツ号を乗り回しているそうだ。何から何まで規格外すぎる! (OPTION誌2001年5月号より抜粋)
●取材協力:RE雨宮 千葉県富里市七栄439-10 TEL:0476-90-0007
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