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今だからこそ堪能したい味わい深さ
AS300の影に隠れた希少マシンを徹底取材!
1998年に『ハチロクの再来』と大々的なティザー広告を打って登場したアルテッツァ。5ドアハッチバックのアルテッツァジータが追加されたのは2001年のことだった。
セダンのアルテッツァよりも車格を高めに設定したからかエンジンは直6のみとされ、AS200に2.0Lの1G-FE、AS300には3.0Lの2JZ-GEが収まり、2.0L・直4の3S-GEは搭載されなかった。興味深いのは2000年に仕様変更が行なわれたアルテッツァに合わせ、ジータAS200にも6速MTがラインアップされたこと。2003年には4速ATに一本化されてしまうため、わずか2年弱しか生産されず、販売台数もそれほど多くなかったはずだ。
そんな経緯から、今や希少な1台と言えるジータAS200 6速MTモデルのオーナーが“グローバル”代表の永井さん。「2017年に息子が免許を取ったタイミングで、知り合いが手放すというんで譲ってもらったんよ。2023年の夏まで息子が乗っとったんだけど、クルマを買い替えたんで、自分が普段のアシとして乗ってるわけ」。
当時、アルテッツァと言えば210psの3S-GEデュアルVVT-i仕様を載せるRS200(セダン)の6速MT一択だったわけで、同じ6速MTでもAS200に注目してたクルマ好きは皆無だったに違いない。もちろん、永井さんもその1人だったが…。
「これが乗り始めたらかなり良いんよ。それまで低中速トルクが細い1Gにはあまり良い印象が無かったんやけど、VVT-i化されてすごく乗りやすくなっとるし、やっぱり直6のスムーズな回り方が気持ち良い。それをMTで乗れるんだから、楽しくないわけがないよね」。
1980年に登場した1Gの最終進化バージョンと言える1G-FE VVT-i仕様のカタログスペックは、160ps&20.4kgm。2500rpm手前からトルクの立ち上がりを体感でき、確かに街乗りでもストレスなく走れるし、雑味のないフィーリングと軽快な吹け上がりに直6エンジンであることを強く実感する。
そこに楽しさをプラスするのが、軽いタッチでシフト操作できるアイシン製6速MTだ。ギヤ比は全体的にやや低めの印象で、VVT-i化と併せて低中速域のトルク感を稼いでいる。
また、100km/h巡航時のエンジン回転数が3200rpmと高めなことからも、ローギヤード傾向なのは明らか。ギヤ比は1速から順に3.874、2.175、1.484、1.223、1.000、0.869。ファイナル比は4.300で、この数値は3S-GEを積むアルテッツァRS200と全く同じだ。
アルテッツァよりも全長が105mm長く、5ドアハッチバックとされたジータは広いラゲッジスペースを持ち、60:40分割式の後席背もたれを倒せば拡大も可能。積載性や実用性はアルテッツァを上回る。
外装はテインの車高調を組んで程良くローダウン。ホイールはBBS RGIIの18インチで、フロント8.0Jプラス40、リヤ9.0Jプラス45を履く。エアロパーツは社外品かと思いきや純正とのこと。「特別仕様車が多かったアルテッツァはエアロの種類も色々あったみたいね」と永井さん。
もちろん、速さはたかがしれている。でも、味わい深さは格別。6速MTで速さよりも楽しさを求めるなら、推したいのはRS200でなく断然AS200だ。
⚫︎取材協力:グローバル 岐阜県羽島郡岐南町平成2-105 TEL:058-374-8838
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