【編集部員コラム】「令和の時代にBNR32を電撃購入!」20代オーナーのリアルな第二世代GT-Rライフをお届けします!

後期型とはいえ車齢は30年を突破!

旧車となったBNR32との付き合い方をコラムにてお届け

「一度で良いからチューニング隆盛期のマシンを所有してみたい」。その思いに強く駆られ、トップシークレット製作のBNR32を購入することとなったウェブオプション編集部員のウエダ。製造から30年を経過した旧車とのリアルな付き合い方をコラム形式でお届けしていく。

時は2017年まで遡る。当時は「新しくて壊れないクルマで遊ぶのが一番幸せ」と盲信的に考えていた。その考えに則り、社会人になって初の愛車として迎え入れたのは、ZC6型BRZ後期モデルの新車だった。

車高を落とし、ホイールを替えるという初歩的なクルマいじりから始まり、最終的にはHKSのGTスーパーチャージャー仕様まで進化。大満足で乗り回していた。故障の不安は無いし、ましてやパーツ供給の心配なんて一度もしたことが無かった。「新車こそ最善」という考えは、多様なカーライフにおける一つの正解であると今も信じて疑わないし、新たにクルマを買おうとしている友人には必ず新車を勧めている。

しかし、一般企業からの転職でウェブオプション編集部に配属され、取材で往年のチューンドマシンに触れる生活を続けていくうち、次第と自分の中で“古い車への憧れ”が沸き立ち始めた。取材を通して出会う旧車オーナーたちと、“古いクルマを維持する楽しさと辛さ”をリアルに分かち合えないもどかしさもあった。

毎日のようにオフィスで「一度でいいから旧車に乗ってみたい…」と亡霊のように繰り返していた2020年のある日、転機が訪れた。

「永田さんのところに最近仕上がったばかりのBNR32がある。気になるなら見せてもらった方が良い」。それは自分の上司であるウェブオプション編集長がトップシークレットに取材で寄った際、たまたまファクトリーにあった一台のBNR32だった。

その個体は、トップシークレットが展開する“第二世代GT-R再生プログラム”により、ボディのレストアと機関系のオーバーホールが完了したばかりという状態。

詳細な車両スペックについては省くが、税込み価格は車検整備等全て含め乗り出し600万円ジャスト。2024年現在よりもだいぶ相場が安かったとはいえ、当時としても破格の金額だった。もっとも、業界の(貧乏な)若手ということで、永田さんがかなりの値引きもしてくれたことは付け加えておく。

しかし、600万円というのは手軽に用意できる金額ではない。「GT-Rは高嶺の花だな…」と諦めかけていたものの、一縷の望みをかけ、チューニングカーの買い取り専門店“CPS”へ愛車BRZの査定を依頼。すると、意外なほど査定額が高いことが判明。CPSのチューニングパーツ高額査定はもちろんだが、後継モデルのZ#8が発表される前のタイミングだったことも功を奏したと思う。

最終的に「GT-Rに乗るなら、今しかない」と判断し、乗り替えを決意。売却益を頭金としたことで、ローンも問題なく通った。

こうして2020年の10月、晴れて憧れのBNR32を新たな相棒として迎えることとなった。永田さんからキーを渡された瞬間のこと、慣らし運転に関する説明を受けたことは昨日のことのように思い出される。

クルマに関する諸々の説明の最後に、永田さんが付け加えた。「レストア済みとはいえ、このクルマは新車じゃない。動力性能に関わる部分とボディは完璧だけど、一部の配線関係やスイッチ類は年式相応。細かいトラブルが発生することもあるから、そこはよく理解しておいて」。現行車しか知らず、“レストア済み車両は壊れない”という安直な考えだった当時の自分には、とても新鮮な言葉として刻み込まれた。もっとも、この忠告の真の意味を理解するのはだいぶ先のことになるのだが…。

チューニングベースとしては未だ一線級の人気ではあるが、すでに初期型に至っては製造から35年の歳月が経過。経年劣化による故障はもちろん、盗難リスクも極めて高いBNR32。今後は、そんな愛車とのリアルな付き合い方を、わたくしウエダがコラムという形でお届けしていきます!

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