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電動ガル&迫力ワイドボディで唯一無二の和製スーパーカーを製作
拘りのベース車選択から妥協ないリメイクを経て完成!
歴代モデルが一様にスタイリングとスポーツ性能を併せ持ち、世界中のクルマ好きを虜にしたフェアレディZ。なかでも平成元年に4代目として登場したZ32型は、その外観はもちろん、国内ではじめて最高出力280psを記録するなど『スーパースポーツ』を強く意識したモデルだったと言える。
そんな稀代の名車をベースにしたスーパーカスタムが、ここで紹介する純白のZ32だ。幼い頃からスーパーカーの魅力に取り憑かれ、その象徴とも言える“ガルウイング”に強い憧れを持ち続けていたというオーナーが、苦心の末に完成させた超大作である。
特徴的なのは、ガルウイングのアクションだ。一般的なバタフライ式ではなく、地面に対して垂直に展開するシステムを独自に構築しているのである。
「試行錯誤の連続でしたよ。それと、この手の加工ガルって、ウインドウが固定されているケースが多いんです。それが嫌で」とオーナーから言われて気付くのが、Z32には存在しないはずの窓枠が設けられていること。そう、パワーウインドウが問題なく機能するよう、窓枠がピラーに被さるカタチで新設されているのだ。
ベースがTバールーフ車両のため、開閉の軸となるドアヒンジは純正ルーフのセンター部に固定。その両側に油圧ダンパーを組み込んでいる。当初は純正ドアを使って製作していたが、ドアの重さに対してルーフの強度が足りなかったため、軽量なFRP素材でドアパネルをイチから作り直したそうだ。
油圧による電動制御を実装しているのもトピック。開閉を行うための油圧ポンプはリヤのワンオフBOX内に設置。そのままでは後方視界を確保できないため、モニター内蔵ルームミラーとリヤビューカメラで対応している。オールド感を払拭するべく、ブラックのフェイクレザーで全面張り替えを行なっているのも見逃せない。
油圧制御用のコントロールユニットはリヤハッチ内部にインストール。これらは全て自作というから恐れ入る。
もちろんエクステリアメイクにも手を抜かず、フロント片側25mm、リヤ片側100mmの独創的なワイドボディスタイルを構築。ちなみに、リヤ周りはフェラーリ575Mマラネロを意識してメイキングを進めたそうだ。
構想から完成までに費やした年月は約2年。チューニング&カスタムの原点はクルマを楽しむこと。それを思い出させてくれるような官能性を秘めたガルウイング仕様のZ32、ともあれオーナーの卓抜した想像力には脱帽だ。
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