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ハリウッド映画にも登場したアメリカ版V12スープラ
トップシークレットをリスペクトするアメリカ人チューナーの快作
サン・ディエゴからほど近い、カリフォルニア州のサンティーという街にあるプロショップ『Speed Force Racing(スピード・フォース・レーシング)』。そこでメカニックとして働くビッグ・マイク(写真左)こそ「アメリカで唯一、世界で二台目」のV12スープラをメイクしたビルダー兼オーナーだ。
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マイクがV12スープラの製作を構想し始めたのは9年前のこと。スープラというと必ず2JZに大径のシングルターボを装着して見た目のインパクトとピークパワーを競う…というのがアメリカでも定番となっているが、人との違いを出すためにマイクが目をつけたのがセンチュリー由来の1GZ型V12エンジンだったわけだ。
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着想を得た時点ではトップシークレットのV12スープラのことは知らなかったそうだが、昔からOPTION誌を愛読していた相棒のティムから指摘されて、その存在を知ることとなる。
同じアイディアを既に具現化していたスモーキー永田に熱烈なリスペクトを抱きつつ、アメリカ国内ではV12スワップの実例は聞いたこともなく、トップシークレットと違ったアプローチで製作する自信もあったため、マイクは「オレのV12スープラ」の製作に邁進し始める。
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V12エンジン本体は、ブロックにクローズドデッキ加工を施し、強化部品も投入。長さは2JZとあまり変わらないため、セミドライサンプ化で高さの帳尻を合わせるのがポイントだ。
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そこにプレシジョン製6266タービンを2基備え、パイピングや補機類を覆うカバーには、チタン製のワンオフ物をこれでもかと投入する。この美しさも、このマシンの見所のひとつだ。
6速巡航での燃費もよく、22mpg(約9.35km/L)も実現可能。制御はアメリカでも知る人ぞ知る存在であるMega SquirtというECUが使用されている。
トランスミッションにはスープラ純正のゲトラグ製6速MTを使用している。それらはトップシークレットともよく似た特徴だが、逆に大きく違うのが冷却系のレイアウトだ。
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シビアに最高速記録を追求していたトップシークレットは、前後重量バランスを取るためラジエターを後方に移設していた。一方、通勤に毎日使うほどデイリーユースを重視しているマイクの場合、ラジエターは普通にフロントにマウント。車内で音楽も楽しむため、荷室にはわざわざADDICTIVE AUDIOのコンポーネンツをインストールしてある。
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エクステリアは、トップシークレットのGT300ワイドボディキットやカーボンウイングの他、SEIBONのカーボンドアパネル、カスタムメイドのリヤディフューザーなどを装着。ハウス・オブ・カラーのキャンディペイントも実に鮮やかだが、こちらは撮影後に塗り直す予定とのこと。
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ドレッシーなホイールはパスワードJDMが用意したカスタムメイドの20インチ、Nutekフォージドを装着。ゴールドを選択したのはトップシークレットへのリスペクトをあらわしている。
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現状ではJICマジックの車高調やフロントブレーキにROTORAの6ピストンを採用しているが、足回りは総取り換えする予定。エアサスやカーボンセラミックブレーキの導入も考えているそうだ。
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一方のインテリアは、ステアリングやシートの交換、ロールケージやメーター類の追加など、一般的なモディファイといった印象。シートはTecnocraft製のフルカーボン製にチェンジすることが決まっている。
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ラゲッジルームにはレーシングスペックの燃料タンクが備わり、バッテリーもリロケートされている。
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肝心の走りはといえば、豊かな低速トルクと高回転まで伸びるパワー特性で超絶スムーズ! 踏み込んでいった時のサウンドはランボルギーニもかくやという甲高いノートを響かせる。1GZは2JZよりコストがかかるのは確かだが、マイクは「トヨタのベストモーター!」と熱く語る。
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実はこのV12スープラ、日本でも2017年に公開された映画「ワイルド・スピードICE BREAK」にちょっとだけ出演している。本編ではほとんど分からないが、特別メイキング映像にはしっかり映っているので、気になる人はYou Tubeでチェックしてみて欲しい。
Photo:Akio HIRANO Text:Hideo KOBAYASHI
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