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酷暑での熱対策も完璧なA183ドリフトスペシャル
ランエボ用4G63にS14ミッション&Z31デフを加工流用!
スポーツカーのパワーウォーズが勃発した1980年代前半に生産された三菱のフラッグシップFRスポーツ、それがスタリオンだ。発売年度は1982年で、形式はA182~187となる。
エンジンはランエボに搭載される4G63の原点とも言える、2.0Lシングルカムの4G63(カタログ表記はG63Bでプレートは4G63表記)が搭載され、1988年(昭和63年)には2.6Lの4G54(当時のカタログ表記はG54B)が追加された。
今回紹介するスタリオンは、日本が世界に誇る技術屋集団“JUNオートメカニック”がバーレーン在住のオーナーの依頼で製作したドリフトスペックだったりする。
まずエンジンは、左ハンドルのステアリングシャフトとEXマニの干渉を避けるために、エキゾーストの向きを助手席側にできるランエボ3の4G63を選んで換装。また、横置きから縦置きへとエンジンレイアウトを変更するため、オイルの片寄り防止策も講じられている。エンジン本体は、JUNの0.5mmオーバーサイズピストンを軸に強化済みだ。
組み合わせるタービンはGT2835プロで、最大ブースト1.5キロ時に470psを発揮する。
ミッションは、S14シルビアのケースに高強度のOS技研5速クロスをインストール。OS技研のクラッチ(カバーがランエボ用でディスクがシルビア用)を使い、ミッションケースのアダプターと合わせて4G63とドッキングさせている。
チューニングで気を遣ったのが熱対策。中東のバーレーンでは、夏場の気温は50度オーバーもしばしば。エンジンが夏場の全開走行で壊れないことはもちろん、エアコン付きであることは絶対条件だ。
そのため、冷却系はインタークーラーと特注の3層ラジエターをVマウント化した上で、オイルクーラーもセトラブ製のコアに電動ファンを組み込んでツイン装着するなど、徹底したクーリング対策を敢行している。
一方の足回りは、アームのブッシュ類を全て新品交換orピロボール化し、アーム自体の補強も含めてフルリフレッシュを敢行。スバル系のステアリングラックを流用して切れ角もアップ、角度のアングルでのドリフト走行が可能な足回りに仕上がっている。
インテリアはノーマル然としているものの、よく見るとメーターにDefiのスーパースポーツクラスターが鎮座し、今時のチューニングカーをイメージさせる作り。シートや内装はノーマルのままで、エアコンも問題なく機能する。ちなみに、ボディ補強は発泡ウレタンで行っている。
その他、負荷がかかる駆動系には日産のZ31用デフ&ドラシャを加工流用して強化するなど、JUNオートならではの技が光る仕上がりとなっている。
●取材協力:JUNオートメカニック TEL:04-2934-5335
【関連リンク】
JUNオートメカニック
https://www.junauto.co.jp/