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控えめなエクステリアで只者ならぬオーラを放つ!
シンプルイズベストを地で行く極上のレビン
「元々乗っていたハチロクは、もらい事故で廃車になっちゃって。そのタイミングでちょうど行きつけのお店がブラックリミテッド仕様のレビンを作る話をしていて、それを売ってもらったんです」。
24歳(取材時)という若さにも関わらず、これまでに2ドアレビン→3ドアレビンとAE86を乗り継いできた生粋のハチロクフリークが語る。
ブラックリミテッドというのは、AE86の新車当時に400台限定で発売されたモデル。トレノにのみ設定されたグレードだが、この車両はレビンをベースにブラックリミテッド仕様を表現しているのだ。
エクステリア同様にエンジンルームも非常に美しい仕上がりを誇る。心臓部は、以前乗っていたハチロクから乗せ換えたというAE111の5バルブ4A-Gだ。
メカニカル度アップに貢献するカールファンネルは、ガレージアネックス製の逸品。その反対側で存在感を主張するトルネード形状のEXマニは、パワークラフト製だ。仕様としては吸排気系のみのライトチューンだが、ポイントをキッチリ押さえているため、視覚的なチューニング指数は高い。
2連のスラッシュテールが特徴的なエキゾーストマフラーはフジツボのレガリスR。4A-Gらしい甲高く乾いたサウンドを楽しませてくれる。
フェンダーは鉄板溶接で作り上げられており、オリジナルの雰囲気を維持しながら20mmほどワイド化。言われなければ気付かないほどの自然さだ。
ホイールはボルクレーシングTE37Vの15インチ。ワイドフェンダー化のおかげで、純正ナローボディでは不可能な9.0Jマイナス15という攻めたサイズを前後通しで履きこなしている。
モノトーンを基調にシンプルに纏められたコクピット。センターパネルにはデフィの3連メーター(油圧、油温、水温)が並ぶ。
シフトゲートはブーツを撤去し、代わりにアルミパネルをセット。AE86オーナーでなければ見過ごしてしまいそうだが「見る人が見ないと分からないレベル」でまとめられたディテールの違いにこそ、このオーナーの主張が最も強く現れていると思う。
リヤシートは撤去した上で、自作のパネルを設置してラゲッジスペースと一体のフルフラット化を敢行。ロールケージは元々ブラックカラーだったが、「ただの黒だと面白くなかったので」との理由からBNR32純正のガンメタでリペイントしている。
室内側から貼り付けられたフロントウインドウのTRDハチマキは、TRDのロゴ部分のみ切り抜いて裏に敷いたカーボンシートのカーボン地が透けるように小細工。きっとオーナーはA型だろう。
すでに完成体の印象だが、「ワタナベの13インチに履き替えようと思ってるんです。友達が持ってるホイールを仮合わせしたらカッコ良すぎて即決してしまいました(笑)」とのこと。
AE86最優先でお金を注ぎ込んでいるという若きオーナーのチューニングカーライフは、まだまだ続いていきそうだ。(取材イベント:All 86 Fan Meeting)
PHOTO:堤晋一