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ありそうでなかったランエボVエンジン仕様のFTO!
FFハイパワーチューンドの定番と言えば、インテグラやシビックなどをターボ化したVTECターボ仕様。しかし、今回紹介するのはそんなVTEC勢を打ち負かすべく製作された、稀有なFTOベースのチューンド。それも、ランエボの4G63を換装した魔改造スワッパーなのだ。(OPTION誌2000年2月号)
ホイールスピンが止まらない超ジャジャ馬っぷり
スポーツカーというよりはデートカー的要素が強いFTOは、トータルバランスにこそ優れているが、いかんせんパワー不足で”刺激が足りない”。そんな弱点を見事に克服したのが、このチューンド。エンジンルームには、何とランエボVの4G63が鎮座しているのである。手掛けたのは、愛知県の“ビクトリーレーシング(※)”。
FTOのエンジンルームに違和感なくセットされた4G63。燃料系こそポンプをJZA80スープラ用に変更しているが、エンジン本体やタービンはノーマル。ブーストコントロールにはトラストのプロフェックBを使用し、最大ブースト圧1.2キロ時に340psを発揮する。
スペックとしては驚くほどのものではないが、いざ走らせると1速2速はホイールスピンが止まらない。機械式LSDを組んでいるにも関わらず、車体が左右に大きく振られるほど強烈なジャジャ馬仕様だ。
燃調はランエボV純正ECUで制御。点火マップはMアーツによって変更し、レブリミットは8000rpmとしている。
前置きインタークーラーは、HKSのSタイプコアをバンパー開口部ギリギリにセット。パイピング類は全て現車合わせで製作されているが、非常に迫力ある面構えだ。
フロントパイプやマフラーといった排気系は、ワンオフ製作のオリジナル品。メイン76.3φのオールステンレス製で、テール部は斜め出しのストレートタイプとなる。
ちなみに、このエンジンスワップは決して一筋縄では行かず、特に大変だったのがミッション周りの作業だったそう。当初はランエボミッションを使う予定だったが、FFボディに4WDミッションを組み合わせることができず、試行錯誤の末、FTOの純正ミッションをベルハウジング加工して4G63とドッキングさせている。
エンジンがV6から直4に変更されたことで純正のタコメーターが作動しなくなったため、オートメーター製の120φ大型タコメーターを装着して対応。もちろん、エアコンやパワステといった快適装備は純正同様にきちんと作動する。
加工は必要だが、基本的には純正パーツを使用して組み上げているので耐久性は抜群。費用面もベースエンジン込みで100万円以内で完結するというから驚かされる。「ノーマルのFTOがこれくらい走ってくれれば…」。そう思わずにいられないほどハイクオリティなチューンドだ。(※ビクトリーレーシングは閉店しています)
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