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次期シーズンに向けてエンジンのさらなる高回転化も検討中
不本意ながらもトップクラスのタイムをマーク!
2020年のデビューからマシンの進化とともに飛躍的なタイムアップを重ね、トップクラスのプライベートアタッカーとなった“エス☆コンプリートREMSワンビア”。2023年9月には念願のワールドタイムアタック(WTAC)参戦を果たすなど、現在ノリに乗っているタイムアタックシーンの注目株だ。
タイム更新が期待された今年のATTACK筑波2024でのベストタイムは53秒405。昨年52秒603をマークしているアタッカーの“みつお”にとっては不本意な結果となってしまったが、当日のタイムに限って言えば“Qartoumy Racingコルベット”に次ぐ記録をマークしたのである。
アタック筑波2023からの変更点として、まず注目したいのはエクステリアだ。昨シーズンのワイドボディ化の際に残されていたボンネットとドアパネルもワンオフ品が完成し、ついにフルドライカーボン化を実現したのである。
搭載されるエンジンはSR20DET改2.2LにVEヘッド仕様で、タービンにはGCGのギャレットG35-1050をセット。基本構成に大きな変更はないが、最大ブースト圧は2.5キロから2.8キロへと高めている。E85燃料とシーケンシャルショットNOSとの相乗効果で、最高出力は推定1050~1100psを発生し、ストレートエンドでの車速は昨シーズンよりも約8km/hアップしたそうだ。
自作のインボード式マルチリンクリヤサスやブレーキシステムもキャリーオーバーだが、それを使い切るためのセッティングは常に模索中。現在問題となっているのは、オーバーステア傾向をいかに改善するかとのことだ。
実のところ、今回のアタックでタイムが伸ばせなかった要因のひとつがタイヤだった。装着するのはアドバンA050(FR295/45-18)なのだが、現行品は規格が従来のZRからRに変更された結果、グリップ感や操舵感も変化。それが、各セクションでタイムロスを発生させてしまったのである。
カーボンダッシュやアクリルウインドウなど、徹底的な軽量化が行われているインテリア。ロールケージはピラーと接合しつつフロントはストラットまで伸ばしてボディ剛性を引き上げている。エキゾーストは室内を抜けて最短距離で排気されるスパルタン仕様だ。
当面の目標としている51秒台に向けて、来季はエンジンのドライサンプ化を検討中。これはより、高回転によりシフトアップ時のエンジン回転のドロップ対策とするのが狙いだ。あくまでもアナログ操作に拘ったワンビアの、さらなる進化に期待は高まる。
取材イベント:Attack筑波2024