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心臓部は623馬力を発生する4G63改2.2L+TO4Zタービン仕様
トップチューナーと二人三脚で進化を続けるCT9W
『湾岸の千葉くん』など、V-OPTの名物企画に触発されて最高速の世界に足を踏み入れたオーナー。荷物が積めて、仕事に使えて、しかも速いクルマ…ということで選んだはずのCT9Wだったが、今ではすっかり最高速専用マシンとなっている。
エンジン本体は、5年間オーバーホールなしで使い続けているモンスター製4G63改2.2L仕様。タービンは純正→GフォースオリジナルTD06-L2→GT3037Sと変遷し、現在はTO4Zに最大1.9キロのブースト圧をかけ、623ps&72kgmというスペックを誇る。
ヘッドは、レブリミット9000rpmを実現するために東名プロカム(IN&EX280度11.5mmリフト)を組み、油圧ラッシュアジャスターは廃止してバルブリフターをソリッド化。TO4Zのパワー特性にエンジン本体が追従するよう、手直しが施されている。
TO4Zタービンは、シリンダーブロック&ラジエターに対してギリギリのクリアランスで装着。EXマニは排気効率と耐久性の向上を狙い、内径45φ、厚さ3mmのステンレス製パイプにWPC処理を施したワンオフ品だ。
吸気系はカンサイサービス大容量サージタンクと、インフィニティ90φスロットルで大容量化。高回転域の高ブースト下でも、スムーズな吸気を実現してビッグシングルのポテンシャルをフルに引き出す。
ラゲッジルーム左側に2基の燃料ポンプを内蔵したコレクタータンクをセット。同時にフューエルラインも引き直して、燃料供給不足によるトラブルを徹底的に抑え込んでいる。
ワンオフの左右デュアル出しマフラーはGフォースのワンオフ。この車両はAYC車ではないため、リヤデフが小さく効率の良いレイアウトが取れたとのこと。90φ→70φ×2というパイピングとなっている。
以前、全開走行中にブローしてしまった6速ミッションは、オイル容量が多くて強度もあるRS用5速に換装。ちなみに、この取材からしばらくして高強度のPPG製6速ドグミッションに載せ替えている。ファイナルギヤは、最高速を伸ばすために4.3から4.1へと高められているのもポイントだ。
ホイールは9.0Jオフセット+35のアドバンレーシングRGIIで、タイヤには245/45-17サイズのアドバンネオバをセット。以前は255/40を装着していたが、ハイギヤード効果を狙ってタイヤ外径が15mmほど大きくなる245/45をチョイスしたとのこと。
サスペンションは、クスココンプ02Eにハイパコ製スプリング(F12kg/mm R10kg/mm)という組み合わせ。車内から減衰力を調整できるe-conも装着される。ブレーキは、パッドのみエンドレスCC-Rgに交換。
ボディ剛性の向上を目的に組まれたクロモリ製ワンオフ12点式ロールケージ。メインアーチとフロント&リヤバーは各ピラーにガゼットプレートを介して固定される。リヤクロスバーと前後サイドバーが圧巻だ。
エクステリアでの見所は、ボルテックス製エアロでワイド化が図られたボディ。リヤはノーマルのフェンダーアーチをカット&拡大してワイドトレッド化を可能にするなど、見た目だけでなく機能性もしっかり追求されている。
サーキットにはまるで興味がなく「エンジンの仕様変更は、そのまま最高速の歴史ですね。300キロ、いや200マイルを目指します!」と言い切るオーナー。OPTION誌の最高速テストでは、GT3037S時代にマークした285km/hがベスト。大幅にポテンシャルアップを遂げた今、大台突破は間違いないだろう。(OPTION誌2014年1月号より抜粋)
●取材協力:Gフォース 神奈川県横浜市鶴見区獅子ヶ谷2-39-68 TEL:045-716-8013
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