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完成度が高すぎて違和感まるでなし!
細部にまで拘りが詰まった流用術に脱帽
この720型ダットサントラックは、ホットロッドカスタムカーショーにも出展経験のあるトラッキンカスタムショップ“パッション”が製作した作品だ。
“快適性を重視したショップデモカー兼プライベートカー”というコンセプトのもと、S14シルビアからSR20DEエンジンやミッションなどを流用。ダットラの皮を被ったシルビアを完成させたのである。
エンジン&ミッションはフレームから作り直して移植。ハーネスもダットラ用とシルビア用を繋ぎ合わせ、純正メーターまで問題なく動くようにしている点も見逃せない。
細部の作り込みも半端ではない。スロットルの固定ボルトはローレットを削り落とした上でバフ掛けし、スロットルワイヤーやホースバンド類も一度バラしてからメッキ処理を施した。ホワイト×ブラックで統一されたエンジンベイも美しさを際立たせるポイントだ。
フロントの足回りは完全なワンオフスペシャルで、インナーフェンダーも着地することを前提に造形。エアサスはアキュエアー製だ。この車高を実現するために、フロア部分とボディを一旦切り離して、ボディ自体を下方向にずらしてフロアと再接合するカスタム方法“チャネリング”を敢行している。
エキゾーストマフラーは、左リヤタイヤの前方からテールエンドが突き出す漢仕様だ。
リヤサスは、理想的なキャンバー変化を求めてS14シルビアのマルチリンクをごっそりと移植。
ホイールは、ハブごと交換して4穴から5穴化し、Z32純正(16×7.5J+45)をインストール。タイヤは前後195/45-16を通しで履く。なお、エアサスで10cm以上は車高が上がるため、街乗りでも快適性は確保されているそうだ。
内装も流用のオンパレードで近代化。センターコンソールはS14純正を、シフトノブとシートはBNR32純正をそれぞれ流用。後付けのエアコン(コンプレッサー類はS14を使用)も装着し、真夏でも涼しくドライブできる快適性を獲得した。
独自の美学で、最新のスタイルを探求していくパッション。きっとこれからも、このダットラを個性的に熟成させていくのだろう。
TEXT&PHOTO:山本大介(Daisuke YAMAMOTO)