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エアサス前提のフェンダーメイクは秀逸!
美しすぎるエアロミックス仕様に迫る
この美しい180SXは、AT限定免許を持つ奥様のためにわざわざオートマ仕様の個体を探し、鈑金屋を営むオーナーがコツコツと仕上げた大作だ。
エアロパーツは「張り出し系が好きじゃない」という奥様のチョイスで、スピリット玲のキットを軸に構築。なお、リヤアンダーはクールレーシングのプリウス用を加工して取り付けたという。
フロントフェンダーはスピリット玲の片側40mmワイドをベースとし、ワイド感を求めて前側のみ30mm程度の拡幅加工を実施。リヤフェンダーに合わせてデザインしたというアーチのラインが非常に美しく、車高を下げた状態でハンドルを切ることのないエアサス仕様だからこそ成立するクリアランスだ。
フロントフェンダーの拡幅加工に合わせて、バンパーやリトラクタブルカバーも実はワイド化されている。完成度が高すぎるあまり「説明しないと気付いてもらえないんですよね」とのこと。
リヤフェンダーはスピリット玲の片側65mmワイド。端部はスムージング処理して後付け感を払拭し、車高を下げると当たってしまうインナー部も大幅にカットして鉄板を追加溶接している。
ウイングは326パワーの可変満力ウイングプラスだが、翼端板の可変部分をスムージング処理した上、ウイングステーも「エアサスで下げた時に、ウイングの位置が高いとハイトがあるように見えてしまう」との理由から、ウエスがギリギリ通せるレベルまで短縮加工している。なお、LEDテール&ガーニッシュはネットで購入したメーカー不明品とのこと。
ホイールはワークエモーションT5R 2Pで、フロントに10J×18-7、リヤは12J×18-32という極太サイズ。スペーサーはフロント20mm、リヤ6mmだ。タイヤは「街乗りがメインなので安さとショルダーの形状重視」とフロントにフェデラルSS595(225/40-18)、リヤにトライアングルTR968(265/35-18)を履く。
ブレーキはフロントのみBNR32純正を流用し、802カスタムのキャリパーカバーでドレスアップ。アーム類はリヤ3点のみスキッドレーシング製に交換している。
エアサスのシステムやオーディオのウーファー類はリヤハッチ内に美しくマウント。右側のボックスは工具入れだ。
インテリアはブルー×ブラックでコーディネイト。左右シートは業者に張り替えてもらったそうだが、その他の部分はカスタムオーディオまで含めて全てオーナーが施工した。
もちろんパワーチューンも抜かりない。心臓部のSR20DETは、S15純正タービンに現車合わせECUを組み合わせたストレスフリーのブーストアップ仕様へとポテンシャルアップを果たしている。
絶妙なバランス感覚で組み上げられた各部のアプローチは、ノスタルジックさとモダンさが共存した斬新な雰囲気を放つ。作り手のセンスが輝く美しい個体だけに、いつまでも大切に乗り続けてほしいものだ。
TEXT&PHOTO:山本大介(Daisuke YAMAMOTO)