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高圧縮設計を活かしたハイレスポンスターボ仕様!
TD04H-15Gターボで170馬力まで増強
ゼロヨン全盛期から、”VTECターボ”の可能性を探り続けてきたハイパワーチューンのスペシャリスト“トップフューエル”。そんな同社が手がけたCR-Z(前期型/CVT)が今回の主役だ。
「CR-Zに搭載されているLEA型エンジンは旧型フィットRSなどで実績のあるL15Aがベースということもあり、シングルカムとしては特性もフラットで完成度はかなり高いです。なので、過給機でメリハリを与えるのが正攻法でしょうね。ただし、コンロッドを中心に強度のキャパが低いので、ブーストアップを望む場合はエンジン強化が必須ですよ」とは、トップフューエル森本メカ。
その言葉通り、このCR-Zは小径タービンを軸にしたボルトオンターボチューンが敢行されている。
後方排気レイアウトの限られたエンジンスペースでのターボ化を実現するために選択したのは、トラストのTD04H-15Gターボキット(現在は廃盤)だ。ただし、キット設定は6速MTモデルのみだったため、トップフューエルではCVTモデルに対応させるべく独自に改良してインストールしている。エンジン本体には一切手を入れていないため、ブーストは0.35キロに抑えられているが、それでも純正から50psアップとなる170psを実現した。
ちなみにLEA型エンジンにはEXマニというものが存在しないため、ヘッドフランジからターボフランジへと変換する鋳物アタブターが用意されている。
また、燃料系ではノーマルのインジェクター容量では不足がちになるので、将来的なステップアップも見据えてAP2型S2000純正にアップグレード済みだ。
ストリート専用であれば問題はないが、このCR-Zはミニサーキットでスポーツ走行を楽しむことも想定しているためCVTクーラーを搭載。オーバーヒートすると変速不良が多発するが、CVTクーラーの装着によってクールダウンせずに連続周回できるようにしているわけだ。さらに、前置きインタークーラーの追加でラジエターに走行風が行き届きにくくなっていることを踏まえ、大容量ラジエターやオイルクーラーの導入による冷却対策も抜かりない。
エンジンマネージメントにはHKSのフラッシュエディターを使用。燃調、点火時期、VTECの切り替えポイントの他、モーターのアシスト量やアシスト条件も細かくセッティングしている。
ボルトオンターボ仕様の魅力は何と言ってもトルクの分厚さにある。高圧縮なエンジンにコンパクトなサイズのタービンという組み合わせは、アクセルを踏んだ瞬間にピークトルクが立ち上がるようなハイレスポンスを誇る。そのパンチ力のある走りは、まさに“本物”のハイブリッドスポーツだ。
●取材協力:トップフューエル 三重県松阪市中道町500-1 TEL:0598-56-5880
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