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スーパーチャージャー武装で高回転のフィールを強化!
高性能を使い切れる痛快さでIS Fに対抗する
レクサスIS350のデビューはレクサスが日本展開を開始した直後の2005年9月だ。D4-Sを採用した3.5L・V6エンジン『2GR-FSE』の搭載で高いスポーツ性能を誇るセダンとして人気を集めたが、5.0L・V8エンジンを積むIS Fが2007年に登場したことで、2番手イメージが付いてしまったことは否めない。しかし、IS350はチューニング適応度が高く、IS Fにはない楽しさをプラスすることが可能なのだ。
千葉県の“ラスティー”はその潜在能力にいち早く気付き、IS350を始めとする2GR-FSE搭載車のチューニングに注力してきた名門ショップだ。一方で、ライバル車種となるIS FやGS Fなど、5.0L・V8エンジン『2UR-GSE』搭載車についてもデモカーを導入。多角的な検証を行ってきた。
「IS Fはトルクがありすぎて踏み切れない、性能を持て余してしまう…というのが個人的な印象。その点でIS350は、エンジンとシャーシのバランスが良くて安心して全開にできるんです。高速クルージングならIS Fが有利ですけど、峠やサーキットで遊ぶなら断然IS350の方が魅力的ですね」とはラスティー有田代表。
もちろん3.5Lの排気量から繰り出されるトルクも十分なものだが、低中速重視の2GRのキャラクターに高回転領域での伸びをプラスし、さらなる楽しさを引き出すチューニングとしてラスティーが推奨するのがGTスーパーチャージャーキットのインストールだ。
取材車両はHKSのGTS7040スーパーチャージャーを装着し、ノーマルの272ps(ダイナパック係数ゼロ)から304psにまでパワーアップ。適切な係数を掛けると350ps前後となり、筑波サーキットではIS Fと互角以上の勝負ができるそうだ。
GTS7040コンプレッサー本体は、専用のブラケットを介して右バンクの側面下部にセットアップ。なお、取り付けの費用はキット代とセッティング料を含めて100万円が目安だ。
重要なエンジンマネージメントは、SARDのCUVUによるECU書き換えで対応。燃調や点火時期のみならず、スロットルやバルタイまで絡めながらセッティングを進めていく。なお、燃料系はポンプのみ強化している。
取材車両はいわゆる通勤快速仕様だが、加速時に増大したトルクをきっちりと路面に伝えるためには機械式LSDが不可欠。レクサスの車格に合わせて、静粛性にも優れるクスコのタイプRSを装備している。
中古相場が落ち着き、100万円以内で手に入るようになったIS350だが、レクサスならではの高級感溢れる室内空間はやはり魅力。取材車両は運転席のみレカロSR-7に交換され、スポーツコクピットを構築する。
ちなみに、MT化が気になるユーザーも多いとは思うが、サードから販売されていたS6マニュアルトランスミッションキットはすでに生産終了。ラスティーでは、マークX GRMNの純正6速を流用するメニューを独自に展開しているので興味あるユーザーは問い合わせていただきたい。大まかな予算は200万円だ。
「レクサスのようなプレミアムスポーツは、いかに少ない手数で速さを引き出すかが重要です。IS350は車高調とLSDとハイグリップタイヤだけで、筑波を1分4秒台で走れるポテンシャルがあります。実は同条件のIS Fもタイムはほぼ同じなんですよね。プロドライバーが乗れば差は開くかもしれませんけど。スーパーチャージャーを付ければ、IS Fと互角以上に戦えると思いますよ」とは有田代表。
“ノーマル然とした外装に秘める高い戦闘力”というイメージで、痛快な下剋上マシンを仕立てるのに最高の一台と言えるだろう。
●取材協力:ラスティー 千葉県白井市冨士51-4 TEL:047-441-6226
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