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未体験レベルの超フラットパワー特性にプロも大興奮!
2.4L+ハイレスポンスタービンで4G63は生まれ変わる
日進月歩で進化を続けているチューニングだが、エンジンやビッグタービンなどで手を加えてパワーを追求していけば、その代償として多少なりとも快適性や耐久性が削られることになる。しかし、そんな常識に真っ向から挑んだのが、アンリミテッドワークスが製作したこのランエボ9GSRだ。
コンセプトは「無理をしないフルチューン」。排気量アップとビッグタービンで500psオーバーという仕様ながら、オーナーの奥様が買い物から子供の送迎までノーマル感覚で使用できるように、パーツ選択とセッティングが施されているのだ。
心臓部の4G63は、ブライアンクロワー製の2.4Lキットを軸に構築。ボア径86φ×ストローク量102mmという超ロングストロークの設定により、2.0Lとは別次元のトルク特性を確保。そこに、東名パワードの272度ハイカムを組み合わせ、高回転域のパンチ力もしっかりと確保している。
組み合わせるタービンは、世界的に評価が高い米キャバリ製のCBT30。風量的には軽く500psオーバーが狙える上、トリプルベアリングの採用により低速トルクも犠牲にならないのが魅力。ノーマルEXマニ対応のポン付け仕様だが、耐久性を考慮して丈夫なフルレース製EXマニに組んでいる。
エンジン制御は、ハルテックの4G63専用プラグインフルコンのプラチナプロが担当。純正センサー類を生かして、アイドルアップやフェイルセーフも機能するため、ノーマル同様の扱いやすさを実現させている。
サージタンクやスロットルはノーマルのままとして、コストパフォーマンスも追求。500psのパワーに合わせて、燃料系はサード800ccインジェクターと275L/hポンプで容量アップを図っている。
足回りは、オーリンズDFVベースのアンリミテッドオリジナル車高調でセットアップ。スプリングはベステックス(F16kg/mm R14kg/mm)だ。その他、ブッシュ類はピロに打ち替え、ロール剛性を高めるためにクスコの強化スタビも導入する。
ホイールはボルクレーシングTE37SL(F9.5J×18+22 R9.5J×18+34)、タイヤにはゼスティノ・グレッジ07RR(265/35-18)をセット。ブレーキはフロントがブレンボの8ポットキャリパー+360mmローター、リヤがブレンボ4ポットキャリパー+355mmローターで強化済みだ。
エクステリアは、家族の送迎やレジャーでの仕様も考慮して必要最低限なエアロのみを装備。フロントバンパー、カーボンボンネット、GTウイングは全てボルテックス製ですっきりとまとめている。
一方の室内は、ストリート仕様らしいシンプルメイク。シートはレカロのRS-Gで、追加メーターにはデフィ(ブースト、水温、油温)をチョイスする。ちなみにミッションは、RS用の5速クロスを奢る。
このチューンドを峠で試乗した菊池靖選手は「これまでに色々なランエボに乗ってきたけど、このマシンは2.2L仕様ともビッグタービン仕様とも全く異なるもので、はっきり言ってヤバイほど速い」と大興奮。
続けて「2.4Lの太いトルク感が常にあって、3500rpmからはそこにターボパワーが加わり一気に7000rpmまで回り切る。パワー特性は驚くほどフラットで、エンジンとタービンが完全に調和している感じ。こういう特性のエンジンはサーキットでも間違いなく速いはずだから、ぜひ本気でアタックしてみたいな」と絶賛。
あらゆるネガを取り払ったフルチューン仕様。恐るべしだ。
●取材協力:アンリミテッドワークス 神奈川県横浜市瀬谷区北町44-8 TEL:045-719-2116
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アンリミテッドワークス
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