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好バランスな大人の遊びグルマへとS660を導く!
プロドライバーをも唸らせるオリジナル車高調は大注目
軽スポーツの専門ショップとして豊富なノウハウを持ち、そして自社開発のオリジナルパーツを提供する“ナビック”。S660デモカーは、気軽に買い物にも使えることを前提に、サーキット走行も存分に楽しめる“マルチユース”をコンセプトとしている。
チューナー達の尽力により、パワーチューニングが確立された感のあるS07Aエンジンだが、ナビックでは“低コスト”をキーワードに、オーソドックスな吸排気+ECUチューニング(ブーストは純正値のまま)の可能性を追求。
エンドユーザーにとってフレンドリーな仕様であり、セットアップをキッチリと突き詰めればライトなメニューでもS660は十分に楽しめる事を証明するためだ。
吸気系は、試作のオリジナルエアクリーナーを装着。吸気温度の上昇が著しいS660に合わせた設計で、ファンネル形状を採用しつつカバーを設ける事で熱害をシャットアウトする構造だ。サイドダクトから、ダイレクトにフレッシュエアを導くためのホースも設置されている。
一方のエキゾースト環境は、好評発売中のオリジナルマフラーをインストール。フロントパイプとのセットでメインパイプは50φ、テールは上品な80φ×2のカールテール仕様となる。近接排気騒音87dB(4500rpm)&加速騒音79dBの保安基準適合モデルだ。
S660はヒート傾向が強く、サーキット走行では水温&油温がかなり厳しくなる。そこでラジエターには純正比3倍の容量を持つオリジナルアルミラジエターを組み込み、オイルクーラーもバンパー後方に油圧ロスの少ない水冷式を設置。さらに、ECUチューンで電動ファンの作動ポイントも変更している。
ナビックが最も拘ったという足回りは、ボルドワールドとのコラボで誕生したオリジナルのフルタップ車高調(F4kg/mm R5kg/mm)を軸にセットアップ。これは「軽快な回頭性」をテーマに、街乗りでの乗り心地とサーキットでの路面追従性を高次元で両立させた逸品だ。
タイヤはポテンザRE-71Rで、フロントに195/50R15、リヤに205/45R16をセット。ナローサイズの方が軽快感はあるが走行を重ねると性能がタレやすいため、適度な接地感とリヤのトラクションを稼ぐセットとなっている。機械式LSDはATSベースの1.25ウェイだ。
このチューンドをサーキットで試乗したレーシングドライバーの和田久選手は「ノーマルブースト仕様とはいえ、ブーストの立ち上がりにメリハリがあってパワフルに感じるね。足回りは見事。初期の入力に対して車体が素直に反応してくれるし、ターンイン時もリヤの伸び感があるから安定するんだ。フロントもマイルドでしっとりと路面を捕らえるイメージ。これからサーキット走行を始めようという人には最適なスペックだと思う」とコメント。
厳選したパーツチョイスと豊富な経験に基づいたファインチューニング。S660の知り尽くしたチューナーならではのセットアップ術は、全オーナー必見と言えるだろう。
●取材協力:ナビック 京都府京都市山科区勧修寺御所内町128 TEL:075-575-4433
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