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現代のシビックタイプRに通ずる快速セダン!
コンディションアップを兼ねて肩肘を張らないストリート仕様に移行中!
「走りは楽しみたいけど、家族も乗せなきゃいけないし…」といった悩みは、古今東西変わらぬもの。ここで紹介するDB8のオーナーも、そんな悩みを解消する1台として4ドアのインテグラタイプR(96スペック)を選んだ一人だ。
もちろん、購入後はストリートからサーキットまで、タイプRならではの走りを満喫。駆動系や足回りなどB18Cのポテンシャルを発揮させるチューニングへと意欲的に取り組んでいたが、近年はサーキットにも行かなくなったことから、コンディションアップを兼ねてストリートスタイルに少しずつ移行している。
高回転まで突き抜けるようなパワーと頼もしいトルクを兼ね備え、ライトウエイトFFで無双の強さを誇ったB18C。大型のエアクリーナーボックスは無限製。希少な絶版品で、マニアの間では高値で取引されているアイテムだ。なお、すでにクランクシャフトやコンロッド、ピストンは生廃となっているが、アフターパーツが充実しているのでオーバーホールやパワーチューンに困ることはない。
本来の5次元ファイヤーボールは跳ね上げレイアウトだが、排気効率を犠牲にせずジェントルな雰囲気に仕上げるためストレートにアレンジ。高回転まで回せば、心地よいVTECサウンドが楽しめる。
オーナーが以前、カーボンシートやプッシュスタートでレーシーにアクセント付けをしたインテリア。タコメーターは10000rpmフルスケール、フロントシートはレカロSRIIベースのタイプR専用モデルで、DC2はレッドが選択可能だったがDB8用はブラックのみの設定となる。
98スペックの4.7ファイナル流用でシフトチェンジの楽しさを引き上げる一方、クラッチはギヤの歯打ち音が生じていたカーボンクラッチからエクセディのハイパーシングルへ仕様変更して快適化を図っている。
足回りはブッシュ類をリフレッシュしつつ、ハンドリングと乗り心地を考慮して仕上げられたアスランのオリジナル車高調(F18kg/mm R16kg/mm)でセットアップ。フロントはスプーンのキャリパー、リヤは98スペック純正を流用してブレーキ性能も高めている。
96スペックのホイールハブは4HのPCD114.3となる。ハブ自体は弱くないが、ホイール探しに行き詰まった際に、5H化するかPCD100に変更して対処するユーザーは多い。オーナーはDB8の持ち味を活かすために、エアボリュームがあって乗り心地のいい15インチをキープする。
「FF勢で無類の速さを誇ったインテグラタイプRは、DC2では内装ドンガラでロールケージを張り巡らせたハードチューンも多かったのですが、DB8だとインテリアは普段使いできる仕様が大半。そのため、一定年数が経過すると乗り換えられていたDC2に対し、DB8は今回のように新車から長く乗り続けているユーザーさんが多いですね。純正パーツの大半が生廃になっていますが、B18CやDC2が人気だったこともあってアフターパーツが豊富ですから、現在も安心して楽しく走ることが可能ですよ」とはアスラン代表の谷さん。
ちなみに、車重だけでなく、ホイールベースやボディ剛性の関係から、DB8はDC2よりも動きは少しダルな印象となる。打倒DC2を掲げるならスポット増しや軽量化で対処できるが、それでは走りと使い勝手を共存するDB8の良さが崩れてしまう。
もし、これからDB8を手に入れて楽しむなら、環境変化に合わせてノーマル+αに戻しつつある今回のオーナーのように、タイプR本来の素性を活かしたストリートスタイルを目指すのがベストだろう。
●取材協力:アスラン 大阪府堺市南区別所238-2 TEL:072-349-4880
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