目次
グルービーなキャブサウンドを奏でるC35!?
高騰する旧車に着想を得た気軽に乗れるL型搭載車!
S30Zやハコスカなどの旧車を得意とする埼玉県の“リバイブ・ジャロピー”。そんな同社の2代目である西さんが作り上げた異色マシンが、このL28搭載のC35ローレルだ。
西さんは、C33→C35とローレルを乗り継ぎながらドリフトライフを送る生粋の走り屋だ。親交のある“谷島自動車”が製作したL28搭載S14シルビアにインスパイアされ、愛車C35へのL型スワップを決意したそうで、「製作を決意した2020年頃はすでにL型を楽しめる旧車の価格がかなり高騰していて、別の形でL型チューンを満喫したいという思いもありました」とのこと。
換装されたエンジンはL28改3連キャブ仕様。腰下はノーマルのまま、面研やポート研摩といったヘッドチューンが施された。圧縮比は11.0:1、カムは作用角72度で、最高出力は推定200ps。現状は確実に保安基準に適合し、エアコンなどの負荷があってもアイドリングできる性能を持たせるなど、公道走行可能な実働チューンドとしてのスペックを重視した仕様となっている。
ちなみに、エンジンの換装に関しては、RBエンジンとL型エンジンは寸法も近く共通項も多いため、搭載角度の調整程度で比較的すんなり進んだという。
キャブはウエーバー45DCOEタイプの海外製をセット。希少なウエーバーやソレックスの代替品として使用可能かテストしているところだとか。また、スロットルリンケージには機械式のアクチュエーターを使ったアイドルアップキットをセット。後付けのキャブでありながら、エアコンコンプレッサーや電動パワーステアリングの負荷に対応させるための策だ。
C35ローレルにはマニュアル車が存在しない。そのため、RB用のFS5W71CミッションとL型用FS5W71Bベルハウジングを組み合わせてドッキング。
製作過程で最も苦労したというが、純正メーターを始めとする電子機器を完動させること。社外のデジタルダッシュロガー等に置き換える手もあるが、それでは芸がない。そこで、各種センサー信号を確認しながらL型にRBエンジン用のセンサーを移設するなど細かな作業を積み重ねることで、この難題をクリア。ちなみに、燃料計の手前に設置されている追加メーターは、セッティング時に役立つデジタルA/F計だ。
シフトレバー横に増設されたスイッチは、上の赤いプッシュ式がスタート用の点火カット。A/Tの切り替えスイッチはパワステポンプに割り当て、その下の2つが電動ファンとインタンク増設燃料ポンプのカット用となっている。
エアコンのコンプレッサーはリブベルト駆動に変更。ハイチューンのキャブ車でありながら、安心してエアコンを使うことが可能だ。
パワステはMR2(SW20)用の電動油圧タイプを移植。そのポンプの奥にあるのは点火を強化するMSD。左に見えるのはデスビをフルトラ式に変更した際に追加装着されたアンプだ。
一方の足回りは、エンジョイドリフト用で煮詰めた車高調を軸にセットアップ。もちろん、ドリフト必須パーツである高イニシャルトルクの機械式LSDも装備済みだ。
完成したC35ローレルはしっかり公認車検も取得、通勤から趣味のドリフト走行会までマルチにこなせる万能スペックで仕上げられた。サーキットでの注目度は言わずもがな、L型エンジンスワップ&公認取得作業を経て、より一層の魅力を放つリアルチューンドへと昇華したわけだ。
●取材協力:リバイブ・ジャロピー 埼玉県大里郡寄居町保田原192-1 TEL:048-581-8062
記事が選択されていません【関連リンク】
リバイブ・ジャロピー
https://revivejalopy.com/